「サイクリックボルタンメトリー」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Loveless (会話 | 投稿記録)
m ロボットによる 追加: zh:循環伏安法
26行目:
以下に最も一般的な3電極系における構成を示す。
;作用極:作用極 (working electrode, WE) は実際に物質との電子の授受を行う電極である。[[白金]]やグラッシーカーボン製のものを用いることが多い。最近では導電性ダイヤモンド電極などが注目されている。
;参照極:参照極 (reference electrode, RE) は作用極の電位を決定する際の[[基準電極|基準となる電極]]である。飽和カロメル([[水銀甘汞]])電極 (SCE, Hg/Hg<supsub>2+</supsub>Cl<sub>2</sub>) や[[銀]]/[[塩化銀]]電極 (Ag/Ag<sup>+</sup>AgCl) などがよく用いられる。
;対電極:対電極 (counter electrode, CE) は作用極で発生するのと同じ電流値を系に返すための電極である。メッシュ状やコイル状の白金を用いることが多く、全電流が対極反応で律速されることがないように、作用極よりもずっと大きな表面積が必要のものを使うこされが無難であ。対極、補助電極 (auxiliary electrode) とも呼ぶ
 
測定は溶液を調製し、脱気したあと上記の電極を差し込んで行う。
;溶媒 :基本的には測定対象が溶解するものであれば、あらゆる溶媒が使用可能である。ただし、溶媒によって電気化学的に安定な範囲([[電位窓]])が異なるため、測定したい電位範囲によって適切に選択する必要がある。また非極性溶媒では伝導性を確保するための支持電解質が十分に溶解できないことが多く、[[超微小電極]]のような系でないと測定は困難である。無機物には水([[緩衝液]])、[[N,N-ジメチルホルムアミド|DMF]]、[[ジメチルスルホキシド|DMSO]] など、有機物には[[アセトニトリル]]や[[ジクロロメタン]]などが用いられることが多い。測定対象によっては脱水・脱気が不可欠とされる。
;溶質 :通常 10.1~1 mmol/L 前後にする。あまり薄いと測定できないが、濃すぎると副反応が起こる可能性がある。
;支持電解質・支持塩 :溶液には測定したい物質の100倍程度の量の[[支持電解質]]と呼ばれるイオン性物質を加える。水系では[[塩化ナト硝酸カリウム]]や[[硫酸ナトリウム]]が多用される。有機溶媒系では過塩素酸テトラブチルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウムの過塩素酸塩が、溶解度等の観点からよく用いられる。
 
==得られる情報==