「華厳宗」の版間の差分

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時代的にも地域的にも広範なので、様々な変容がある。
=== 重々無尽の縁起 ===
華厳思想の中心になるのは、この世界の[[実相]]は個別具体的な事物が、相互に関係しあい([[相即相入]])無限に重なりあっているという考え方([[重々無尽の縁起]])である。この実相を4つの見方・'''四法界'''に分ける。我々の通常のものの見方を'''事法界'''、[[無自性]]・[[空 (仏教)|空]]の見方である'''理法界'''、無自性・空の世界と具体的個物や現象が妨げあわず共存する'''理事無礙法界'''、そして最後には「理」すなわち「無自性・空」も消え去り、ただ事物と事物が融通無碍に共存する'''事々無礙法界'''という見方に到達する。また、'''華厳'''では仏の側から見るので、[[三性説]]もまた[[唯識]]とは逆に、仏の側から順に'''円成実性'''、'''依他起性'''、'''遍計所執性'''と説かれる。
 
=== 性起説 ===
[[仏性]]についての考え方では天台宗が[[性具説]]を説き凡夫が次第に修行によって仏性に目覚めて行くと説くのに対し、華厳宗では[[性起説]]を説き、もともと衆生には円満な仏性が備わっているとする。[[鎌田茂雄]]はこの考え方が[[道元]]の仏性観、修行観(修証一味)に影響していると指摘している。