「わたしが・棄てた・女」の版間の差分

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この作品は吉岡努の視線から描いた「ぼくの手記」と森田ミツの視線から描いた「手首のあざ」の二つの視点で描かれている。遠藤周作の作品のうち、純文学作品に対して軽小説に位置づけられる作品の中で、広く読まれている小説である。
 
一途作者愛を求めながらも悲劇に倒ば、[[ジョルジュ・ベルナノス|ベルナノス]]の『田舎司祭の日記』や[[フランソワ・モーリヤック|モーリヤック]]の『仔羊』といった作品の主人公を一般的に描ことした、先のユーモア小説『[[おバカさん]]』にも通じであるという。この作品で失敗した点を『わたしが・棄てた・女』で克服しようとしている。純粋に人を愛し続けるミツは[[イエス・キリスト|イエス]]像に結びついており、その主題はのちに『[[沈黙]]』に結晶する。
 
なおこのヒロイン森田ミツは、実際にハンセン病と診断されながらも誤診で、のちに看護婦になった経歴を持つ[[井深八重]]がモデルとなっている。作者自身が最も好きな登場人物であると語り、のちの作品にも同じ名前の人物がしばしば登場する。
 
== 初出・書誌 ==
初出は、1963年に、『[[主婦の友]]』21月号から12月号まで連載された。その後、1964年に[[文藝春秋|文藝春秋新社]]から刊行された。
 
;刊行本
* 『わたしが・棄てた・女』(1964年3月、文藝春秋新社)
* 『わたしが・棄てた・女』(1969年8月、講談社)
* 『現代日本キリスト教文学全集』第12巻収録(1973年12月、教文館)
* 『わたしが・棄てた・女』(1976年、遠藤周作文庫)
* 『わたしが・棄てた・女』(1972年12月、講談社文庫/ISBN 4061311411)9784061311411)
* 『遠藤周作文学全集』第5巻収録(1999年9月、新潮社/ISBN 4106407253)9784106407253)
 
== 関連作品 ==
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* 愛する(1997年、日活。[[熊井啓]]監督。[[酒井美紀]]、[[渡部篤郎]]、[[岸田今日子]]、[[小林桂樹]]、[[三條美紀]]、[[松原智恵子]]、[[宍戸錠]]、[[岡田眞澄]]、[[西田健]]、[[絵沢萌子]]ほか出演)
 
2002年のフランス映画『[[天使の肌]]』(監督:[[ヴァンサン・ペレーズ]])は『わたしが・棄てた・女』の翻案ではないかと言われている。
 
;舞台