「単結晶」の版間の差分

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すこし加筆。
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'''単結晶'''(たんけっしょう、single crystal, monocrystal)とは結晶のどの位置であっても、[[結晶軸]]の方向が変わらないものをいう。単結晶の集合体が[[多結晶]]である。
 
== 利用 ==
[[Image:Monokristalines Silizium für die Waferherstellung.jpg|thumb|80px|left|ケイ素の単結晶]]
工業的に重要であり、特に[[ケイ素|シリコン]]の単結晶は、[[半導体]]製造に欠かせない。他の例として、[[ジェットエンジン]]をはじめとする[[ガスタービンエンジン]]での利用がある。[[タービン]]ブレードには高温での[[クリープ]]強度が求められるが、ここには[[ニッケル]]等をベースとした[[合金|耐熱合金]]の単結晶[[鋳造]][[機械材料|材料]]などが用いられている。
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有機分子や生体分子の分子構造、無機化合物の結晶構造を決定する技術に[[X線結晶構造解析]]がある。その中の単結晶を試料とする手法(単結晶X線回折)は結晶格子内の各原子の位置について非常に多くの情報を与える。そのため、[[蛋白質|タンパク質]]や稀少な生体分子について、微量の試料から単結晶を調整して[[構造決定|構造解析]]に供する技術が[[分子生物学]]や[[薬学]]の成果につながるものとして進歩している。
 
== 製造 ==
単純な有機化合物や無機塩の単結晶は次のようにして作ることができる。まず、溶質を溶媒に溶かして溶液を調製する。この溶液をゆっくりと冷却するか、徐々に溶媒を[[蒸発]]させると結晶が発生・成長する。この際、冷却や蒸発が速すぎると[[多結晶]]や[[双晶]]となりやすい。小結晶を種として入れておき、[[結晶化]]を促進させることもある。[[超短パルス]][[レーザー]]半導体シリコンの単結晶の製造では既にそれまでた単結晶の小片発生種結晶として使用し、るつぼから回転させながら微速度で引き上げ方法も開発さ。ガスタービンに使用する単結晶ブレードの製造では加熱炉の中の鋳型の内部を溶融金属で満たし、鋳型の基部を水冷しておく。鋳型を微速度で下げることで金属は下から凝固を始めるが、この際、鋳型下部の一部に「セレクタ」と呼ばる細く絞られた部分があるために、凝固する結晶粒界の内のただ1つだけがこのセレクタ部を経由し結晶が続たまま成長する。このため鋳型の本体部分はすべて単結晶で構成されることになる<ref>「阪大発ベンチャーの創晶、佐藤幸徳著 『マイクロガスービパク質結晶化受託を事の本』 日刊工化」, 新聞社 2003年12月28経BP初版1刷発行 先端技術事業化サイト[http://innovation.nikkeibp.co.jp/etb/20050826-01.html] ISBN 4526052132</ref>。
[[超短パルス]][[レーザー]]によって結晶核を発生させる方法も開発されている<ref>「阪大発ベンチャーの創晶、タンパク質結晶化受託を事業化」, 日経BP 先端技術事業化サイト[http://innovation.nikkeibp.co.jp/etb/20050826-01.html]</ref>。
 
分子量が大きく、また軟らかいタンパク質は、重力のために構造が歪みきれいな単結晶が得にくい。これを解決するために、強磁場中<ref>「新薬につながる高品質タンパク質単結晶作製に成功」, 科学技術振興事業団, 平成12年7月4日[http://www.jst.go.jp/pr/announce/20000704/hosoku.html]</ref>や、[[宇宙ステーション]]<ref>「高品質タンパク質結晶生成プロジェクト