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元禄金
名称
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'''元禄小判'''(げんろくこばん)とは[[元禄]]8年([[1695年]])9月に[[慶長小判]]についで発行された一両としての額面を持つ[[小判]]である。また元禄小判、元禄[[一分金|一分判]]および元禄[[二朱金|二朱判]]を総称して'''元禄金'''(げんろくきん)あるいは'''元字金'''(げんじきん)と呼ぶ
 
表面には[[鏨]]による[[茣蓙]]目が刻まれ、上下に[[桐]]紋を囲む[[扇]]枠、中央上部に「壹兩」下部に「光次([[花押]])」の極印、裏面は中央に花押、下部の右ないし左端に小判師の験極印、吹所の験極印さらに花押の左に「元」字が打印されている。
 
== 略史 ==
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雑分は[[銅]]、[[鉛]]、[[イリジウム]]などである。
このような銀含有量の多い合金は青みを帯びた淡黄色を呈するため、表面を金色に見せる、色揚げが行われた。すなわち、小判に[[食塩]]、[[焔硝]]([[硝酸カリウム]])、[[緑礬]]([[硫酸鉄(II) |硫酸鉄]])、[[胆礬|丹礬]]([[硫酸銅]])および薫陸を梅酢で溶いた物を小判に塗り、炭火で焙ることを繰り返す操作であった。これは硫酸鉄などの高温における[[加水分解]]で生じた[[硫酸]]の作用で生成した[[塩酸]]および[[硝酸]]が金属に作用し、表面に[[塩化銀]]を生成させて銀を除去するという[[イオン化傾向]]、および合金固相中における[[拡散]]を巧妙に利用した技術であった。
 
== 元禄小判の鋳造量 ==
[[吹塵録]]によれば、小判および[[一分金|一分判]]の合計で13,936,220両1分である。
 
== 参考文献 ==