「西フラマン語」の版間の差分

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4世紀と5世紀と考えられるゲルマン人の民族移動の結果フランドルにたどり着いたサクソン(ザクセン)人の方言の痕跡が今も西フラマン語には多くある。この沿海ゲルマン的、北海ゲルマン的な特徴は、ゼーラント語やホラント語など他のオランダ語方言だけでなく、低ザクセン語、フリジア語、英語にも反映されている。西フランドルの西部に行くほどその特徴がよく見られる。
 
西フラマン語が受けた北海ゲルマン語的影響は、例えば pit(pit「、rik 後ろdinne(dinne「薄い、より古い brigge(brigge「などの語で現れている。(オランダ語ではそれぞれ put, rug, dun, brug)。短い u は i になっており、<!-- ontrond? -->これは英語にも当てはまる(pit, ridge, thin, bridge)。bek, in, tusschen(オランダ語の tussen「〜の間に」)にあるような短い開いた e, i, u という音はホラント語など沿岸部の他の古い方言に見られる。これは近隣のブラバント方言とは対照的である(bik, ien, tuusse)。標準オランダ語は両者の中間を行っており、現代ホラント語もこれに加わる。
 
沿岸ゲルマン語的なもう一つの現象は、語頭の h の消失である。これはブラバント語でも起きており、西フラマン語にまさに当てはまる。例えば、èlpen助ける、òòlen持って来る、ard 硬いと言う(オランダ語では helpen, halen, hard)。英語の諸方言との類似はさらに遡るが、標準オランダ語だけでなく標準英語でもこの h は保たれている。非常に西フラマン語らしい特徴が g が h に変化する咽頭音化であり、咽頭を狭めて g を発するというものである。これら二つの組合せで、西フラマン語では oeëd(oeëd「帽子hoeëd(hoeëd「良い同居でき共存している(オランダ語では hoed と goed)。このような特徴は tussentaal(ベルギー領フラマン地方で話されているオランダ語)を話す西フラマン人にも共有されている。
 
動詞や形容詞的名詞のように語尾 -en のあいまいな e を発音しないのは、英語 (beaten, listen) や[[低ザクセン語|低ザクセン諸方言]]でも見られる。ブラバント人やホラント人が e を発音して n は発音しないような音連続で、zotn「ばかな」(蘭 zotten)、hurtn「聞く」、bustn「胸」(蘭 borsten)のように西フラマン語では語根に直接 n が付加される。このあいまいな e の前の子音が咽頭音の衝突により飲み込まれることがある(後述)。
 
hurtn や bustn, さらに bus「森」(蘭 bos)、mussels「ムラサキガイ」(蘭 mosselen)、vul「いっぱいの」(蘭 vol)、zunne「太陽」(蘭 zon)などはこの地域に典型的なもう一つの音的特徴を表している。o が u に変化する自然発生的な[[硬口蓋音]]化である(明確な理由がなく調音点を硬口蓋にずらす。よって「自然発生的」)。bush, mussels, full, sun のように、英語に対応するものを見出せる(ただし発音は変化している)。この変化が西フラマン語(および他の沿岸部方言)で起きた後、初期のオランダ語で短い o が長音化した。例えば zoon「息子」(英語では son)、boter「バター」、vogel「鳥」など。一方、西フラマン語では硬口蓋音化した u が eu と長音化し、zeune, beuter, veugel という形が生じた。沿岸部の西フラマン語では、これらの語の eu が再び短音化し u となった。beuter に対し butter, scheutel に対し schuttel(蘭 schotel「皿」)、 keutel に対し kuttel など参照。
 
北海沿岸地域の多くの方言が共通して持つもう一つの音的特徴は、a を o に変化させた語があることである。zochte「柔かい」(蘭 zacht)、of「終わっている」(蘭 af)、brocht「持って来た」(蘭 bracht)など。英語の soft, off, brought を参照。
 
== 地位 ==