こやは、?ー弘化元1844に生きた女性。通称こや、てや、とや。
十一代将軍・徳川家斉の正室、広大院の御中臈。
弘化元1844に江戸城本丸が焼かれた大火事の際、高齢の御年寄・花町が取り残されるということがあった。
すざまじい炎の前に救出は困難と思われたが、その際彼女は広大院の命を受け、あえて大火の中に飛び込み、花町と共に焼死してしまった。
炎の中へ飛び込む際、近くの奥女中に「この行灯を持っている死体があったらそれは私です」と言い残し、死体には行灯が握られていたという。
その死に様から、彼女は「女中の鑑」と称えられ、このことは天璋院篤姫にも伝わったという。