「藤原茂子」の版間の差分

'''藤原 茂子'''（ふじわら の もし/しげこ、生年不詳 - [[康平]]5年[[6月22日 (旧暦)|6月22日]]（[[1062年]][[7月30日]]））は、第71代[[後三条天皇]]の[[皇太子]]時代の妃、第72代[[白河天皇]]生母。[[中納言]][[藤原公成]]女の娘で、[[大納言]][[藤原能信]]の養女となった。母は藤原知光女。第71代[[後三条天皇]]の[[皇太子]]時代の妃、第72代[[白河天皇]]生母。別名は・'''滋野井御息所'''。

実父公成の姉妹祉子が能信の妻であったことから、子のなかった能信夫妻の養女として引き取られる。[[永承]]元年（1046（[[1046年]]）、皇太子尊仁親王（後三条天皇）の副臥として入内。この時尊仁親王の異母兄[[後冷泉天皇]]はまだ若く、しかも尊仁親王とその母[[禎子内親王]]は[[関白]][[藤原頼通|頼通]]と対立していたこともあって、はかばかしい後見のない皇太子に娘を入内させる公卿はいなかった。そのため能信が妻の姪にあたる養女茂子を妃に入れたのだが、いくら能信の養女でも実父が中納言では、東宮妃にはふさわしくないと非難されている（また、当時養女を妃に入れたのは最高実力者であった頼通のみであり、能信がそれを行うのは不相応であるという意味合いがあったとも言われている）。

しかしその後、後冷泉天皇に皇子女が恵まれないのとは対照的に、茂子は王子貞仁（白河天皇）・[[篤子内親王|篤子]]（[[堀河天皇]][[中宮]]）ら一男四女を次々と産んだ。正妃[[馨子内親王]]にも子女はなかったので、いずれ尊仁親王が即位すれば茂子は次期東宮の生母、やがては国母にもなるはずだったが、康平5年（1062年）尊仁親王の即位を見ることなく死去。[[延久]]3年（1071（[[1071年]]）後三条天皇即位にあたり[[従二位]]を、また同5年（1073（[[1073年]]）白河天皇即位により[[皇太后]]を追贈された。

茂子自身は若くして亡くなったが、これ以後茂子の実家である[[閑院流]]からは歴代天皇の后や生母が次々と輩出、[[院政期]]の歴史に大きく関わっていく。