「経済成長理論」の版間の差分

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藤井三方 (会話 | 投稿記録)
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ハロッドとドーマーにより1930年代から40年代にかけて発表されたモデル。経済の自律的な安定を確保する難しさを例示するなど、[[ケインズ]]理論の影響を強く受けた経済成長モデルである。いわゆる動学理論とよばれるものである。
 
このモデルの一番の特徴は、[[投資]]の生み出す需要と供給(投資能力と、需要それぞれ二重性)増加量とが安定的に調和するような''保証経済成長率'' (資本の増加率)が、完全雇用をもたらすような''自然経済成長率'' (労働力の増加率)と別個に規定され、その関係が自律的に均衡に向かわないと仮定することにある。両者の不均衡は慢性的な経済の停滞やインフレを導くもとと結論づけられた。安定的な成長率の実現は非常に困難で、ナイフ・エッジの均衡とも呼ばれる。また、保証成長率は貯蓄率に影響するものと定義された。
 
ハロッド・ドーマーモデルは、前提が硬直的であるために、ソロー・スワンモデルと同様、成長理論の雛型として教科書で登場する他は、そのまま議論の道具として用いられることは現在では少ない。