「リピーター (時計)」の版間の差分

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==概要==
機械式時計における三大複雑機構(リピーター、トゥールビヨン、永久カレンダー)のひとつであり、その頂点とも言われる超絶技巧である。
機械式時計において、任意の時間にボタンあるいはレバーを操作すると、現在時刻を音により知らせる機構をリピーターというが、正式には15分単位で知らせるクオーター・リピーター、5分単位で知らせるファイブミニッツ・リピーター、1分単位で知らせるミニッツ・リピーターの三種類がある。こちらのミニッツ・リピーターは通常、時、四半時(15分単位)、分の3系統によって時を告げ、これら一つ一つの音色は異なる。音色に関しては、[[バイオリン]]の弦と楽器全体を想像すると分かるが、ケースが共鳴体の役割を果たすため、その素材自体や仕様(大きさ、厚みなど)によっても異なる。それ故、そこには職人の経験と感性が大きく影響する。ケース素材は、18金の他、[[プラチナ]]、[[セラミック]]を使ったものもあるが、一般的に硬い素材ほど大きくはっきりした音になる。その点、[[ステンレス]]が好適だが、とても高価な機構のため価値の高いゴールドやプラチナ素材に収めるのが通例である。時報は、例えば、「カンカンカン、キンカンキンカン、キンキンキンキン」の場合、時の鐘が3回、四半時の鐘が2回、分の鐘が4回であるため、3hour + 2 × 15min + 4min で、3時34分となる。これに加えて、ウエストミンスターチャイム(時報として4(4種の鐘で音楽を奏でる機構)や、[[オートマタ]](自動的に人形が動く機構)、自動的に、一時間、15分単位を知らせるソヌリという単独複雑機構をさらに組み合わせたものもある。通常、これらの一つ、もしくは複数を組み合わせた時計を、グランド・コンプリケーションと呼ぶ
 
リピーターは非常に複雑で高度な機構であるため、ごく一部のきわめて高度な技術を有する時計職人にしか製作・メンテナンスすることができないと言われている。音色に関しては、まさしく職人の技術と情熱の結晶といえ、完全に調整された時計はもはや一個の個性を持った生きた芸術品にまで昇華すると言われる。それ故、比較的身近になった現在でも、最低1000万円以上一般に数千万円(パテック・フィリップなどでは1億円以上のものもある)の非常に貴重で高価雲上時計でありその抜群のステータス性ゆえ、誕生から現在まで変わらず愛好家垂涎の的となっている。
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