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'''紅葉伝説'''(もみじでんせつ)は、[[信州]][[戸隠村|戸隠]]、[[鬼無里村|鬼無里]](現・[[長野県]][[長野市]])に伝わる鬼女にまつわる伝説である。'''紅葉'''は女主人公の名前である。
 
== あらすじ ==
937年([[承平 (日本)|承平]]7年)のこと、子供に恵まれなかった会津の夫婦(笹丸・菊世)が[[天魔|第六天の魔王]]に祈った甲斐があり、女児を得、'''呉葉'''(くれは)と名付けた。
 
才色兼備の呉葉は豪農の息子に強引に結婚を迫られた。呉葉は秘術によって自分そっくりの美女を生み出し、これを身代わりに結婚させた。偽呉葉と豪農の息子はしばらくは睦まじく暮らしたが、ある日偽呉葉は糸の雲に乗って消え、その時既に呉葉の家族も逃亡していた。
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呉葉と両親は京に上った。ここでは呉葉は紅葉と名乗り、初め琴を教えていたが、[[源経基]]の目にとまり、[[腰元]]となりやがて[[局]]となった。紅葉は経基の子供を妊娠するが、その頃御台所が懸かっていた病の原因が紅葉の呪いであると[[比叡山]]の高僧に看破され、結局経基は紅葉を信州戸隠に追放することにした。
 
956年([[天暦]]10年)秋、まさに[[紅葉]]の時期に、紅葉は水無瀬(鬼無里)に辿り着いた。経基の子を宿し京の文物に通じ、しかも美人である紅葉は村びと達に尊ばれはしたものの、やはり恋しいのは都の暮らしである。経基に因んで息子に経若丸と名付け、また村びとも村の各所に京にゆかりの地名を付けた。これらの地名は現在でも鬼無里の地に残っている。だが、我が身を思うと京での栄華は遥かに遠い。このため次第に紅葉の心は荒み、京に上るための軍資金を集めようと、一党を率いて[[戸隠山]]に籠り、夜な夜な他の村を荒しに出るようになる。この噂は戸隠の[[鬼]]女として京にまで伝わった。
 
[[Image:Yoshitoshi The Demon of Mount Togakushi.jpg|right|thumb|200px|紅葉の策に眠りこむ平維茂。([[1890年]]、[[月岡芳年]]「平維茂戸隠山に悪鬼を退治す図」『新形三十六怪撰』)]]
ここに[[平維茂]]が鬼女討伐を任ぜられ、笹平(ささだいら)に陣を構え出撃したものの、紅葉の妖術に阻まれさんざんな目にあう。かくなる上は神仏に縋る他なしと、[[観音菩薩|観音]]に参る事17日、ついに夢枕に現れた白髪の老僧から[[降魔]]の剣を授かる。今度こそ鬼女を伐つべしと意気上がる維茂軍の前に、流石の紅葉も敗れ、維茂が振る神剣の一撃に首を跳ねられることとなった。呉葉=紅葉33歳の晩秋であった。
 
== 関連作品 ==
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*神楽『紅葉狩』
*『紅葉狩』[[上村松園]]の美人画
*[[陰陽座]]『紅葉(くれは)』(作詞・作曲: [[瞬火]])紅葉伝説と[[歌舞伎]]『紅葉狩』基にした楽曲
*歌謡曲『鬼無里の道』(作詞: [[佐藤順英]]、作曲・歌: [[西島三重子]])
*[[鳥山石燕]]『[[紅葉狩]]』(『[[今昔百鬼拾遺]]』より)
*漫画『[[鬼切丸]]』(作:[[楠桂]])
 
[[Category:伝説|もみしてんせつ]]