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{{漫画}}
『'''Lullaby'''』(ららばい)は、[[岩崎摂]]による[[歴史漫画]]作品。[[有間皇子]](作品では「有間'''有間'''子」と表記)を主人公としている。
 
本作は[[1985年]](昭和60年)、『別冊[[月刊OUT]]』9月号『[[アニパロコミックス]] 10』(みのり書房)に掲載された。岩崎は『OUT』『アニパロコミックス』において、『[[MY HOMEギジェ]]』など[[アニメ]]作品の[[パロディ]]を多く寄稿しているが、当作品は史実を元にしたパロディといえる。
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== あらすじ ==
{{ネタバレ|スキップ=作動}}
[[656年]]([[斉明]]2年)、[[岡本宮#斉明天皇の岡本宮|飛鳥岡本宮]]の火災のさなか、逃げ遅れた有間王子を[[蘇我赤兄]]が救出した。その様子を苦々しく見ている[[天智天皇|中大兄王子]]と[[藤原鎌足|中臣鎌子]]。間もなく数え年17歳となる有間王子は重い[[発達障害]]をもっていたが、故[[孝徳天皇]]の子であり血統は問題なく、中大兄王子にとっては次の大王([[天皇]])の位を狙う上で邪魔な存在であった。
 
有間王子は自身を守るはずの[[舎人]]から厳しい体罰を受け、舎人を殺した後、偶然に赤兄の家に逃げ込んだ。赤兄は娘・[[常陸娘|常陸]](ひたち)と共に有間王子を保護し治療してやる。しかし王子は床にこぼれた食事を四つん這いで直接口で喰らうなどし、彼らはその姿に愕然とする。赤兄は王子に人間らしい振る舞いをさせようとするものの、王子は反抗して赤兄の手に噛みつく。一方で赤兄は王子の住居・市経(いちふ)の宮に使いを送るが、王子の障害を隠したいためか、宮では王子が[[南紀白浜温泉|牟婁温泉]](むろのゆ)で療養中ということにされている。しゃべれないはずの有間王子が歌を歌っているのを聞いた赤兄は、王子に魂を宿らせれば言葉が話せるようになると考え、彼に単語を教え始める。これにも抵抗し赤兄の首を絞める王子。その手に赤兄の言う「ありま」の響きが伝わる。有間王子は自ら、自分の名を口にする。これをきっかけに次第に言葉を覚えていく王子だったが、赤兄も常陸も「母(あも)ちゃま」としか呼べなかった。
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== その他 ==
作中で、言葉を話せない有間王子が歌う歌は、「岩の上に 小猿 米やく 米だにも 喰(た)げて 通らせ 山羊(かましし)の 爺(おじ)」という歌詞で、『[[日本書紀]]』に記録された[[童歌]]である<ref>[http://www.meijitosho.co.jp/shoseki/tachiyomi.html?bango=4-18-927113-0 わらべうた わたしたちの音楽] 第一章 わらべうたとは何か(冒頭)</ref>。また、赤兄が王子を寺院へ連れて行き、王子が見つめる[[仏像]]に思わず手を合わせる場面では、仏像は[[百済観音]]像に酷似した外見で描かれている。
 
== 関連項目 ==