「発熱反応」の版間の差分

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反応または物理変化に伴う熱の出入りは、それを構成する各段階での熱の出入りを合わせたものである。相転移での熱の放出は主として、ある程度自由に運動していた[[分子]]、[[原子]]、[[イオン]]などが、[[分子間力]]、[[水素結合]]や[[イオン結合]]によって束縛され、余分な運動エネルギーが熱となることによる。また[[溶媒]]に溶質が溶解する場合には一般に[[溶媒和]]により熱が発生する。特に[[水]]を溶媒とする場合(水和)には熱量が大きく、溶解熱は水和熱による部分が多い。発熱化学反応では、分子を構成する[[共有結合]]あるいは電子状態([[酸化]]・[[還元]])などの形で蓄えられていたエネルギーが放出され、また場合により上記のような物理変化に伴う熱の出入りが合算され、全体として発熱となる。
 
==熱力学==
熱力学反応の進む方向は反応および環境条件の[[熱力学]]的性質により決まる。熱を ''Q'' と表記し、系外から系内へ熱が移動する場合を正とすれば、発熱反応は''Q'' < 0と表される(反応熱は -''Q'' である)。[[定圧過程]]であれば熱は[[エンタルピー]]''H''の変化と等しいので、''&#8710;H'' < 0となる。熱が移動しない(断熱過程)ようにすると、発熱反応により系の[[温度]]は上昇する。
 
定圧過程では[[ギブズエネルギー]]''G''(定積過程では[[ヘルムホルツエネルギー]]''F'')が減少する過程(これを[[発エルゴン反応]]という)は単独で自発的に進む。定温過程では''&#8710;G'' = ''&#8710;H'' - ''T&#8710;S''なので、発熱反応は普通、発エルゴン反応でもある。発熱化学反応は比較的低温で進行するものが多い(特に[[触媒]]がある場合)。[[燃焼]]反応のように[[活性化エネルギー]]として加熱を要するものもあるが、一旦反応が開始すれば発熱するため自発的に進行する。
 
==例==
*化学反応