「アルビノーニのアダージョ」の版間の差分

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{{クラシック音楽}}
{{クラシック音楽}}《'''アルビノーニのアダージョ'''は、[[レモ・ジャゾット]]が作曲し、[[1958年]]に初めて出版した作品で、弦楽合奏と[[オルガン]]のための楽曲。[[室内合奏]]であるが、弦楽アンサンブルのみでも演奏される。
 
== 概要 ==
この作品は、[[トマゾ・アルビノーニ]]のソナタ ト短調の断片に基づく編曲と推測され、その断片は[[第二次世界大戦]]中の[[連合国]]軍による[[ドレスデン空襲]]の後で、旧ザクセン国立図書館の廃墟から発見されたと伝えられてきた。作品は常に「アルビノーニのアダージョ」や「アルビノーニ作曲の[[ト短調]]のアダージョ、ジャゾット編曲」などと呼ばれてきた。しかしこの作品はジャゾット独自の作品であり、原作となるアルビノーニの素材はまったく含まれていなかった<ref>Letter from the Saxon State Library (consultant Marina Lang), 24 September 1990, reproduced in facsimile by Wulf Dieter Lugert and Volker Schütz, „Adagio à la Albinoni“, Praxis des Musikunterrichts 53 (February 1998), pp. 13–22, here 15.</ref>。
 
作曲様式から見ると、息の長い旋律、幻想的な展開とそれを支える[[半音階]]的な和声進行、曲の長大な傾向など、18世紀半ばのイタリア・[[バロック音楽]]の特徴よりも、北ドイツ18世紀初頭のバロック音楽の特徴が顕著であり、この曲の音楽語法はアルビノーニの真作の緩徐楽章の様式にも合致するものではなかった。
 
== 大衆文化におけるアダージョの利用 ==
雄渾多感な旋律と陰翳に富んだ和声法ゆえの親しみやすい印象から通俗名曲として広まり、クラシック音楽の入門としてだけでなく、ポピュラー音楽に転用されたり、BGMや映像作品の伴奏音楽として利用されたりした。
 
[[ドアーズ]]のアルバム『[[アメリカン・プレイヤー]]』収録の「友人同士の宴」では、アルビノーニのアダージョの編曲と思しき楽曲に乗せて[[ジム・モリスン]]が詩の朗読を行なっており、[[イングウェイ・マルムスティーン]]のイカロス組曲作品4は、もっぱらアルビノーニのアダージョを下敷きにしている。[[DJティエスト]]はアルバム『 Parade of the Athletes 』において、[[弦楽のためのアダージョ|バーバーのアダージョ]]とともにアルビノーニのアダージョを用いた。
 
[[オーソン・ウェルズ]]の[[1962年]]の映画『審判(''The Trial'' )や[[ルドルフ・トーメ]]([[:de:Rudolf Thome|Rudolf Thome]])監督の[[1970年]]の『''Rote Sonne'' 』、『ローラーボール』([[1975年]]制作版)や[[メル・ギブソン]]主演の[[1981年]]『誓い(''Gallipoli'' )といった[[映画]]の伴奏音楽ないしはテーマ曲として利用されている。
 
=== 註 ===
<references/>
 
 
{{DEFAULTSORT:あるひのおにのあたあしよ}}
[[Category:室内楽曲]]
[[Category:管弦楽曲]]
[[Category:弦楽合奏曲]]
[[Category:偽作の楽曲]]