「ヤナ川」の版間の差分

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{{Infobox 河川情報
|名称=ヤナライン
|画像=[[Image:Janajana.png|300px|ヤナ川]]
|画像=
|画像説明=ヤナ川流域。なお、オホーツク海側にもヤナ川という同名の川がある
|水系等級=
|水系=
|種別=
|延長=872
|標高=--
|流量=--
|観測所=
|流域面積=238,000
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|河口=[[ラプテフ海]]
|流域=[[ロシア]]
|脚注=
|出典=
}}
 
'''ヤナ川'''(Yana、ロシア語: <font lang=ru>Яна</font>)は[[ロシア]]の[[シベリア]]北東部の[[サハ共和国]]を流れる川。長さは872km、流域面積は238,000平方km。[[レナ川]]の東、[[インディギルカ川]]の西を[[北極海]]へ流れる。
 
春は5月から6月にかけて氷が解け、秋は10月には凍結する。沿岸の[[ベルホヤンスク]]では年に70日から110日の間は川が底まで凍結し全く流れなくなる。また年に220日は表面を氷が流れる。
 
[[ベルホヤンスク山脈]]に発するサルタン川(Sartang)とドゥルガラク川(Dulgalakh)の二つの川が合わさりヤナ川となる。ヤナ川は多くの支流を集めた後に、ベルホヤンスク山脈と[[チェルスキー山脈]]の間の平野を通り[[ラプテフ海]]のヤナ湾へ流入し、巨大な[[三角州]](面積およそ10,200平方km)を形成する。

ヤナ川の流域には、上流部のベルホヤンスク山脈の[[氷河]]が削った氷河湖から北極海沿岸の[[湿地]]に無数に広がる湖まで、およそ4万の湖沼がある。ヤナ川沿岸のほとんどは[[永久凍土]]であり、上流は[[カラマツ]]の林で北緯70度以北は[[ツンドラ]]となる。ただし広大なデルタ地帯では微生物の存在のために若干の木が生育することができる。ヤナ川の主要な支流は、アディチャ川(Adycha)、オルジョ川(Oldzho)、アビラビト川(Abyrabyt)、ビタンタイ川(Bytantay)などで、ほとんどはベルホヤンスク山脈を水源とする短い川である。
 
ヤナ川流域は、ロシアのいわゆる「[[寒極]]」で、[[北半球]]の最低気温が観測された地である。流域の中央部では冬の平均気温はマイナス51度になり、[[ベルホヤンスク]]では[[1885年]][[1月15日]]にマイナス67.8度に達したこともある。[[ヤクート]]人の間では、極寒期には叫んだ声すらも途中で凍って相手に届かず、春になると冬の間に凍った声が解けて、数ヶ月前からの話し声が一斉に聞こえるというような民話・笑話がある。
 
ヤナ川河口の三角州では3万年前(最終氷期の最も凍りついた時期より1万2千年前)の居住の跡が発見されており、北極に住んだ人間の最古の遺跡となっている。ヤナ川沿岸には[[ヤクート]]人、河口部の北極海沿岸平野には[[ユカギール]]人が住んだが、[[17世紀]]以降ロシアの支配を受けるようになった。[[19世紀]]以降、多くの探検家により詳細の分からなかった北極海沿岸の様子がわかるようになっている。