「蒸発熱」の版間の差分

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'''蒸発熱('''(じょうはつねつ)'''または'''気化熱('''(きかねつ)'''とは、一定量の物質を[[気体]]に変化させるために必要な[[エネルギー]]のことである。蒸発熱の測定は[[沸点]]においてなされるが、通常は 298K (25℃) での値に補正された値が用いられる(補正による変化は測定誤差以下なので無視できる)。単位は kcal/mol が用いられてきたが、最近では kJ/mol との表記が主流である。
 
気体を[[液体]]に変化させるときの'''液化熱('''(えきかねつ)'''は、蒸発熱と絶対値が等しく、符号が逆になる。蒸発熱は物質に吸収される熱を表していて正、液化熱は物質が放出する熱であるので負の値をとる。
 
蒸発熱は液体に働く[[分子間力]]に打ち勝つためのエネルギーであると解釈される。たとえば[[ヘリウム]]の蒸発熱が 0.0845 kJ/mol と極端に低いのは、ヘリウム原子間に働く[[ファンデルワールス力]]が非常に小さいためである。反対に水分子の間には[[水素結合]]が働いているため、蒸発熱は 40.8 kJ/mol と大きく、水を 0℃から 100℃まで加熱するときの熱容量(7.53 kJ/mol)のおよそ5倍の値となる。なお、蒸発熱を分子間力の測定に用いる場合は注意が必要である。なぜなら分子間力は[[気相]]の物質にも働くため、実際よりも小さな値が測定されることになるからである。特に[[金属]]の気体は[[共有結合]]の状態で存在しているため、分子間力の測定には[[原子化熱]]を測定する必要がある。