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Loveless (会話 | 投稿記録)
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== コンサートホールとしての日本武道館 ==
現在では、コンサートやライブなどの、各種音楽イベントでの使用が、日本武道館の使用目的の大きな柱の一つになっている。ただ、元来は音楽目的で建設された施設ではないため、良好な音響を観客に聴かせるのは困難を極める。その改善のために、現在に至るまでさまざまなノウハウが確立されており、このノウハウが地方の多目的ホールでのコンサートに用いられることも珍しくない。
 
座席数は上記の通り合計最大14471席であるが、コンサートホールとして使用する場合、舞台設営・観覧のしやすさなどのレイアウト面の理由から一般的に1万席前後のホールとして使用される。
 
日本人の歌手・バンドにとって日本武道館は、極めて重要な位置づけに置かれているコンサート会場である。日本武道館は、会場としての規模の大きさゆえに、興行を実現させ、その興行を収入・内容の両面で成功に至らせる事は容易ではない。そのため、武道館公演の成功は、歌手として「一流」の興行能力を持つ事を業界の内外に誇示する一種の[[ステイタス]]としての意味を持っている。
 
このことから、新人やデビュー前のミュージシャンはもとより、プロの一線級の歌手でさえ、「武道館公演の実現」を憧れとし、これを目標に活動する者は数多い。特にバンド・グループ・アイドル歌手などは、武道館公演が活動の事実上の一つの節目となったり、[[解散]]の記念として1度きりの武道館公演を実施したりすることが珍しくない。逆にこのような大規模会場を好まず[[NHK紅白歌合戦]]の出場同様に武道館級以上の規模の施設ではライブをしないことを公言しつつ活動するミュージシャンやバンドも、[[山下達郎]](妻である[[竹内まりや]]の武道館公演のバックメンバーとして出演したことはある)をはじめ少数ながら存在し、そのまま「大物ミュージシャン」と呼ばれる域にまで至ると、それがむしろ箔となる場合もある。
 
最近では、[[東京ドーム]]などの[[ドーム球場]]での単独公演、さらには全国大都市のドーム球場を巡回するドームツアーが、「ミュージシャンとして最大の到達点」「日本の音楽ステージの頂点」としてみなされることも多く、絶対的な価値こそ薄れてきているものの、現在においても、日本武道館規模での単独公演は、大きな挑戦であり試練である。そのため、武道館公演に成功し高評価を受けることは、歌手としての集客力や興行力の証明として十分な価値を持っており、現在でも音楽業界・芸能界にとっては一種の[[聖地]]的な存在として、格別の意味を持つ重要なコンサート会場であることに変わりは無い。
 
他方、ミュージシャン・アイドルを擁する大手芸能事務所・レコード会社の中には、「武道館公演を成功させた」「武道館規模以上でなければ観客を収容できない人気がある」というそのステイタスの獲得を目的に、大した実績も無い段階で武道館公演を利用する本末転倒な者が存在している事もまた事実であり、この場合、事務所の後援会や[[ファンクラブ]]を利用した組織的なチケットの大量販売・大量動員などが行われる事も見られる。だが、この場合にしても、特にアイドルグループを擁する芸能事務所にとっては、タレントの肖像・グループのロゴなどを利用した関連グッズの販売が重要な収益源になっているため、大型会場として購入者の大量動員が可能である一方でドーム球場よりも会場使用コストが低い武道館公演は、収益性を考えれば大変に重要なイベントである。
 
また、当記述の通りの音楽ホールとしての「武道館」の知名度にあやかり、[[ソニー]]から簡易ボディソニックシステム及び[[携帯音楽プレーヤー]]・[[ウォークマン]]派生の重低音システムとして、「武道館 BOODO KHAN」という商品が販売されたことがある。