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'''適応度'''(てきおうど、英語''fitness'')は[[生物学]]、とくに[[集団遺伝学]]など[[数理生物学]]分野で用いられる語である。
===古典的適応度===
字義通りに理解すれば、その生物個体がどれほどその生活する環境に[[適応]]しているかを示す値である。しかし、これには出産数や出産間隔など直接的に繁殖に関わる特性だけでなく筋力や視力、体の大きさといった多くの特性も間接的に関わってくる。このことから、適応度はその個体が生物として繁栄していく能力を総体として捉えるための概念と
===個体適応度と遺伝的適応度===
===包括適応度===
適応度をある個体の子孫だけでなくその親族、あるいは同じ対立遺伝子を持つ可能性のある他個体にまで広げたものを[[包括適応度]]と言う。社会性行動の進化を扱うさいには包括適応度を用いなければならない。この場合は通常、子にも包括適応度における血縁度の計算が適用される([[有性生殖]]では子の遺伝的価値は親の半分であり、[[親子の対立|親子の進化的対立]]の原因である)。包括適応度は遺伝的適応度の概念の一つであり、包括適応度を個体の数で計算すると混乱の原因となる。包括適応度の上昇はある社会行動の効果に対して用いられる。例えば自分が親族を助けたことでその親族が多くの子を残した場合、「自分の利他行動に関する対立遺伝子」の包括適応度が上昇する。全く別の地域に移住し相互作用できなくなった親族が子を産んでも自分の包括適応度が上昇したことにはならない。
適応度の概念を提唱し、数学的なモデルとして構築したのは集団遺伝学者[[ロナルド・フィッシャー]]、[[J・B・S・ホールデン]]、[[シュワール・ライト]]らであった。[[W.D.ハミルトン]]はこれを拡張して包括適応度を提唱した。さらに後年、[[ジョージ・プライス (科学者)|G.プライス]]の共分散則を取り入れて、包括適応度を親族以外にも適用できる概念へと拡張した。
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* Haldane, J.B.S. (1924) "A mathematical theory of natural and artificial selection" Part 1 ''Transactions of the Camrbidge philosophical society'': 23: 19-41 [http://www.blackwellpublishing.com/ridley/classictexts/haldane1.pdf link (pdf file)]
* Hamilton, W.D. (1964) "The evolution of social behavior" ''Journal of Theoretical Biology'' 1:...
*[[リチャード・ドーキンス]] 『延長された表現型』--「適応度狩り」の章で異なる五種の適応度について概説している。
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