「バッテリーバックアップ」の版間の差分

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*[[ファミリーコンピュータ]]はバッテリーバックアップを考慮していないプラットフォームだった。すなわちCPUとカートリッジのメモリ空間がCPUのバスを通じて直接接続されており、さらに一定容量以上のカートリッジは、カートリッジ内にメモリ空間を拡張するための制御回路(MMC, Multi Memory Controller)を搭載し[[バンク切り替え]]を行っている。このため単純に電源を切ると、電源を切断して回路の電圧・電流が低下した瞬間に、CPUやMMCが誤動作する可能性がある。カートリッジバス上のメモリ空間にSRAMが見えている(あるいはMMCが誤動作した瞬間に見えてしまう)最中にこのような状況が発生すると、SRAMのデータ化けを起こす確率が非常に高くなる。ファミリーコンピュータ用のカートリッジについて「リセットボタンを押したまま電源を切る」という操作を要求されるのは、リセットボタンを押している間はCPUの動作が完全に停止する為である<ref name="SQUARE">ただし、すべてのソフトウェアが「リセットボタンを押したまま電源を切る」を要求したわけではない。スクウェアのバッテリーバックアップはこれを要求しなかった。</ref>
*SRAM自体にはデータの自己修復能力がないため、何らかの保護手段(冗長性を持たせたデータを保存する、あるいは多少のデータ化けなら、適当な手順で[[誤り検出訂正]]できるようにアルゴリズムを配慮するなど)を講じない場合は、1bitでもデータが化けた時にチェックサムエラーだとソフトウェア側で判断されて、保存したデータ全体を破棄することになる。このため、少しのエラーで(当時の技術やプレイ時間からすれば)大きな容量が損失することになってしまう。
 
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『ハイドライドII』の翌年に登場した[[ファミリーコンピュータ]](ファミコン)版およびMSX/MSX2版の『[[ドラゴンクエストII 悪霊の神々]]』([[エニックス]])では、最大52文字の復活の呪文(パスワード)が使用されている。ファミコンで初めてバッテリーバックアップを採用したゲームソフトは、[[1987年]][[4月]]発売の『[[森田将棋]]』([[セタ (企業)|セタ]])となった<ref>ゲームソフト以外を含めると、1984年6月に発売された[[ファミリーベーシック]]が先となる</ref>。その後は[[コンピュータRPG|RPG]]を中心に、多くのゲームソフトにバッテリーバックアップが採用された。
 
なお、[[ドラゴンクエストシリーズ]]の比較対象としてしばしばその名が挙げられる[[ファイナルファンタジーシリーズ]]([[スクウェア (ゲーム会社)|スクウェア]])の方がバッテリーバックアップの歴史は古く、1987年12月に発売された第1作『[[ファイナルファンタジー]]』から採用となっている。ファイナルファンタジーシリーズのバッテリーバックアップはデータ消失がほとんどなかった<ref name="SQUARE"></ref>。これに対し、『[[ドラゴンクエストIII そして伝説へ…]]』『[[ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]』はデータ消失がしばしば起こる上、データ消失の際に表示されるメッセージと効果音が多くのプレイヤーに恐怖感を与えたため、不評だった。
 
1990年代中ごろから、[[フラッシュメモリ]]([[EPROM#EEPROM|EEPROM]])などの、データの保持に電源が不要な不揮発性メモリが小型化および低価格化したために、バッテリーバックアップに替わってこれらが徐々に記憶媒体の主流となっていった。過渡期の機種である[[NINTENDO64]]や[[ゲームボーイアドバンス]]のタイトルには、セーブ方式にバッテリーバックアップと不揮発性メモリが混在している<ref>『[[ファイアーエムブレム 封印の剣]]』『[[ファイアーエムブレム 烈火の剣]]』のように、同一タイトルでありながら初期出荷ロットではバッテリーバックアップで発売され、後の出荷ロットでEEPROMに変更されたタイトルも存在する。</ref>。