「プレッシャーウェーブ・スーパーチャージャー」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m リンク修正
1行目:
'''プレッシャーウェーブ・スーパーチャージャー''' ('''P'''ressure '''W'''ave '''S'''upercharger) は、[[過給器]]の方式のひとつ。機械式の[[スーパーチャージャー]]や、エンジン排気を利用する[[ターボチャージャー]]などとは原理はまったく異なる。また、コンプレックスチャージャーとも呼ばれる。スイスのブラウン・ボベリ社(現[[アセア・ブラウン・ボベリ]]社、ABB)が開発した。
 
== 概要 ==
この方式は、「圧力の異なる層が接した際に、圧力の高いほうに均質化される」という原理を利用したもので、排気バルブが開き、排気管内の圧力(気圧)が一気に上昇する際の「圧力波」(プレッシャーウェーブ)を吸気管側に伝えることで、吸気の密度を高める仕組み。排気と吸気は互いに交じり合うことなく、吸気の圧力だけが高められる[http://upload.wikimedia.org/wikipedia/de/thumb/e/e4/Comprex-Lader.jpg/635px-Comprex-Lader.jpg]。排気バルブの開閉と吸排気管を連通させるタイミングを合わせる必要があるため、クランク軸の回転力を利用した[[蓮根レンコン]]状のローター(ローレット)で吸排気管をつなぎ、ロータリーバルブとしている。圧力差は大きいほうが効率が良くなるため、ガソリンエンジンより、排気圧力の高い(脈動の大きい)[[ディーゼルエンジン]]に適している。
 
PWSの特徴としては、スロットルラグが発生しないことと、ローターは回転運動するのみで、機械的な圧縮を行わないため、スーパーチャージャーに比べ、出力の損失が少ないことがメリットとして挙げられるが、始動時に吸、排気通路を連通させないための締め切りバルブが必要になり、これの[[メンテナンス]]を怠ると、[[カーボンスス]]や[[スラッジ]]の堆積で動作不良を起こすことや、ターボチャージャーほどの過給圧が得られないなどのデメリットもある。
 
== 採用例 ==
16行目:
[[フォーミュラ1|F1]]にて、[[スクーデリア・フェラーリ|フェラーリ]]が[[1981年]]の開幕戦[[アメリカグランプリ|アメリカ西GP]]にツインターボ搭載と、PWS搭載の[[V型6気筒|V6エンジン]]を持ち込んだ(フェラーリは前年まで[[水平対向エンジン|水平対向12気筒エンジン]]を採用していたが、[[ルノーF1|ルノー]]をはじめとしたターボエンジンの台頭や、[[地面効果|ウイングカー]]への最適化などからコンパクトなV6エンジンを開発した)。しかし、実際に利用されたのはツインターボ搭載エンジンで、PWS搭載エンジンは実戦投入されなかった。
 
[[Category{{DEFAULTSORT:エンジン|ふれつしやうえふすちやしやー]]あ}}
[[Category:エンジン]]
 
[[en:Pressure wave supercharger]]