「クロウミツバメ」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
参考文献作成、それに伴い分布、形態、生態追記、外部リンク修正
2行目:
|省略 = 鳥綱
|名称 = クロウミツバメ
|status = {{DD|IUCN=3.1}}
|status_text =
|目 = [[ミズナギドリ目]][[w:Procellariiformes|Procellariiformes]]
|科 = [[ウミツバメ科]][[w:Hydrobatidae|Hydrobatidae]]
|属 = [[アシナガウミツバメ属]] [[w:Oceanodroma|''Oceanodroma'']]
|種 = '''クロウミツバメ''' ''O. matsudairae''
|学名 = ''Oceanodroma matsudairae''<br />[[黒田長礼|Kuroda]], [[1922年|1922]]
|和名 = クロウミツバメ
|英名 = [[:enw:Matsudaira's_Storm-petrel|Matsudaira's storm petrel]]
}}
 
'''クロウミツバメ'''(黒海燕、''Oceanodroma matsudairae'')は、[[動物|動物界]][[脊索動物|脊索動物門]][[鳥類|鳥綱]][[ミズナギドリ目]][[ウミツバメ科]][[アシナガウミツバメ属]]に分類される鳥。
 
== 分布 ==
[[インド洋]]、西[[太平洋]]
 
[[日本]]([[南硫黄島]])で繁殖し、非繁殖期はケニア沖やフィリピン沖へ南下する。2009年現在、繁殖地は南硫黄島しか確認されていない。
 
== 形態 ==
全長22.5-25cm。翼開張56cm。和名尾羽はアルファベット通り「V」字状でやや深い切れこみが入る。全身の羽毛は黒褐色の羽毛で覆われる。翼は長く幅広い。大雨覆上部の羽毛は淡褐色で、飛翔時には逆「ハ」字状の斑紋(翼帯)に見える。初列[[風切羽]]基部羽軸は白い。尾羽はアルファベットの「V」字状
 
嘴や後肢の色彩は黒い。
 
== 生態 ==
[[海洋]]に生息する。翼を水平に広げ、羽ばたきと滑翔を交えながら飛翔する。
 
食性は動物食で、[[魚類]]、[[甲殻類]]、[[軟体動物]]などを食べる。獲物は水面付近を飛翔しながら獲物を捕食する。
 
繁殖形態は卵生で、3-4月に地面に掘った穴に1回に1個の卵を産む。2008年現在、繁殖地として確認されているのは[[日本]]の[[南硫黄島]]のみとなっている
 
== 人間との関係 ==
種小名''matsudairae''や英名の頭に付いているMatsudaira'sは、本種の発見者であり鳥類標本の収集家であった明治時代の[[華族]]、[[松平頼孝]]子爵に[[献名]]されたものである。ウミツバメの仲間は[[凪]]の間、海面に浮いている生物などを採餌するが、彼はこの性質を利用し、[[伊豆諸島]]沖で船上から大量のイワシ油を撒いて人工的に凪の状態をつくり、採餌のため寄ってきた鳥たちを捕獲していて本種を発見した。
 
航行中の船舶の後方を追いかけて飛翔することもある。
ゴミの誤飲や油汚染等により生息数の減少が懸念されている。第二次世界大戦前には[[北硫黄島]]でも繁殖が確認されていたが、その後繁殖が確認されていないため現在も繁殖しているかは不明。北硫黄島には人為的に移入された[[クマネズミ]]が生息しているため卵や幼鳥が捕食され個体数が減少、もしくは繁殖地として壊滅したと考えられている。
 
ゴミの誤飲や海洋汚染などにより生息数の減少が懸念されている。第二次世界大戦前には[[北硫黄島]]でも繁殖が確認されていたが、その後繁殖が確認されていないため現在も繁殖しているかは不明。北硫黄島には人為的に移入された[[クマネズミ]]が生息侵入してまっているため卵や幼鳥が捕食され個体生息数が減少、もしくは繁殖地として壊滅したと考えられている。
== 保全状態評価 ==
*{{絶滅危惧IB類}}
*{{DD|IUCN=3.1}}
*{{絶滅危惧IB類}}
 
== 関連項目 ==
{{Wikispecies|Oceanodroma_matsudairae}}
* [[日本の野鳥一覧ウミツバメ科]]
** [[アシナガウミツバメ属]]
 
== 参考文献 ==
* 『原色ワイド図鑑4  鳥』、[[学習研究社]]、1984年、138頁。
* [[黒田長久]]監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7  鳥I』、[[平凡社]]、[[1986年]]、177頁。
* 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、[[文一総合出版]]、[[2000年]]、75頁。
* 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、41頁。
* 『小学館の図鑑NEO  鳥』、[[小学館]]、2002年、19頁。
* 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、[[日本野鳥の会]]、[[2007年]]、76-77頁。
* 安部直哉 『山渓名前図鑑 野鳥の名前』、[[山と渓谷社]]、[[2008年]]、161頁。
* 『鳥を描き続けた男―鳥類画家小林重三』、晶文社、1999年。
* 『小学館の図鑑NEO 鳥』、[[小学館]]、2002年、19頁。
 
== 外部リンク ==
* [http://www.iucnredlist.org/ 2007 IUCN 2008 Red List of- Home ThreatenedPage Species-]
** BirdLife International 20042008. [http://www.iucnredlist.org/search/details.php/15042/all144928 ''Oceanodroma matsudairae'']. In: IUCN 20072008. ''20072008 IUCN Red List of Threatened Species''.
* [http://www.biodic.go.jp/index.html 環境省 自然環境局 生物多様性センター]
** [http://www.biodic.go.jp/rdb_fts/2000/73-124.html 絶滅危惧種情報(動物)- クロウミツバメ -]