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'''アルマイト'''([[和製英語]] '''alumite'''(理化学研究所はalmiteと表記した))は、[[アルミニウム]]の表面を陽極として主に強酸中で水の電気分解により[[酸化]]させ,アルミニウムの表面をアルミナでコーティングする技術の総称。 日本での正式名は、「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜」である。 また、その加工(処理工程、作業)の事を、陽極酸化処理、アルマイト処理と呼ぶ。
 
陽極酸化皮膜は、日本工業規格JIS H8601:1999「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜」規定されている。(ISO7599準拠)
 
アルミニウムの耐食性、耐摩耗性の向上、及び装飾その他の機能の付加を目的として行なわれる。
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== 技術 ==
[[硫酸|希硫酸]]や[[シュウ酸]](蓚酸)などを処理浴に用いて、アルミニウムを陽極として[[電気分解]]することにより、アルミニウムの表面を電気化学的に酸化させ[[酸化アルミニウム]]Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>(アルミナとも言う)の酸化皮膜を生成させる。ホウ酸など酸化アルミニウムの溶解力の低い酸を用いてバリヤー皮膜と言う数十nm~数百nmの薄い酸化層を形成する方法もあるが、一般的には蜂の巣状に溶解する孔(ポーラスという)を作り数μmから数十μmの多孔質皮膜を形成し、それを沸騰水または酢酸ニッケルなどの高温水溶液、加圧水蒸気により水和する事でβアルミナ化する事により、孔壁を水和膨張させる事により孔を封じ(封孔処理という)、耐食性を向上させたものが製品化されるのが一般的である。 化学反応による不活性化、高分子などにより孔を埋める様な封孔処理方法もある。
 
多孔質皮膜の特性を利用して、ポーラスに金属塩や有機染料などを吸着させて着色することも可能である。また、ポーラス内に電気化学的に金属などを析出させて着色する二次電解、三次電解と言うカラーアルマイトもある。アルミサッシなど腐食環境で使用される部材においては、封孔処理しない状態で電着塗装を施した「陽極酸化塗装複合皮膜」(JIS H8602参照)が用いられるのが一般的となっている。