「逆選抜」の版間の差分

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[[経済学]]において、'''逆選抜''' (adverse selection) とは、[[情報の非対称性]]が存在する(売り手と買い手が保持している情報量に格差がある)状況において発生する現象である。'''逆選択'''とも呼ばれる。
 
 
== 概要 ==
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ただし、財やサービスの品質維持に対するインセンティブが売り手にある場合、第三者機関が品質保証に介入する必要はない。例として、[[信用]]や[[ブランド]]などが売り手の利益に大きく影響する場合が挙げられる。買い手が何度も繰り返し来たり、大量の顧客が企業の名前を信用の基準としている場合、その企業自身に財やサービスと値段の関係を正常に維持するインセンティブがもたらされるため、売り手と買い手との間に信用が形成され、第三者機関が品質保証に介入する必要はなくなる。
 
[[''''''=== 買い手の所持する情報量が多い場合 ===
[買い手の所持する情報量が売り手の所持する情報量よりも多い場合に発生する逆選抜の問題を回避するためには、売り手が提供する財やサービスの内容や宣伝方法が大きく影響する。保険市場を例に挙げる。
 
一つに、個人ではなく、企業やサークルなどの団体に対して保険への加入を促す方法がある。個人を中心に加入者を募集すると、早死にする確率の高い人が加入申請する可能性が高くなるが、1つの企業やサークルに病気がちな人ばかりが集まっているケースは極めて特殊である。そのため全体の危険度は平均的な水準に落ち着くと予想されるので、保険会社は団体加入を優遇する制度を制定する方法によって、逆選抜の問題を回避できる。
 
もう一つに、保険会社の社員が個々の家庭を訪問して保険への勧誘を行う方法がある。街のいたるところに加入窓口を設けた場合、リスクの高い人が多く訪れてくる可能性が高くなる。情報劣位者である保険会社側が個人の家庭を訪問して回る方法によって、逆選抜の問題を回避できるのである。]'''''']]
 
== 関連項目 ==
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* Rothschild, Michael and Joseph Stiglitz (1976年), "Equlibrium in Competitive Insurance Market: An Essay on the Economics of Imperfect Information," ''Quarterly Journal of Economics,'' 80, 629-649.
 
[[Category{{DEFAULTSORT:経済学|きやくせん]]}}
[[Category:経済現象|きやくせんばつ]]
[[Category:経済現象]]
 
[[de:Adverse Selektion]]