「経営戦略」の版間の差分

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Antush (会話 | 投稿記録)
en:Strategic management 21:44, 3 March 2009 より、Birth of strategic management部を抄訳。
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== 経営戦略の歴史 ==
中心的なテーマである「[[戦略]]」という言葉はもともと軍事用語であり、それが企業経営に応用されるようになった。経営学の文献に「戦略」という言葉が本格的に論じられるようになるのは1960年代からである。まだ若い学問分野であるとはいえ、今日では経営学の中心的な概念である。
ペンローズ、アンゾフ、チャンドラー、ポーターの学説史的展開が大きな影響を与えている。
 
=== 経営戦略の誕生 ===
<入門書>洞口治夫・行本勢基『入門・経営学』同友館、2008年[http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4496044331.html]
経営戦略が本格的に論じられるようになったのは、1950~60年代に入ってからである。多くの研究者による多くの文献があるが、中でも影響力があったのは、[[アルフレッド・チャンドラー]]、 [[フィリップ・セルズニック]]、[[イゴール・アンゾフ]]、[[ピーター・ドラッカー]]である。
 
「組織は戦略に従う」の命題で有名なアルフレッド・チャンドラーは、将来を見据えた長期的な視座の重要性を強調した。すなわち、個々の職能や部署を個別的に考えていくのではなく、戦略という長期的視座の下で職能間・部署間を包括的に調整することが重要であると主張したのである<ref>Chandler, Alfred ''Strategy and Structure: Chapters in the history of industrial enterprise'', Doubleday, New York, 1962.</ref>。
 
セルズニックは、組織という内的要因と環境という外的要因との適合性というアイデアを打ち出した.<ref>Selznick, Philip ''Leadership in Administration: A Sociological Interpretation'', Row, Peterson, Evanston Il. 1957.</ref>。これは後に、SWOT分析に機会と脅威という新たな洞察をもたらすこととなった。
 
アンゾフは、市場浸透戦略、製品開発戦略、市場開発戦略、水平統合、垂直統合、多様化戦略といった概念を、チャンドラーの概念を基礎として発展させた。彼は、これらの戦略を用いることで、将来の機会と挑戦の為に体系的に備えることができると考えた。1965年に著したCorporate Strategyの中で、彼は「企業の現在地」と「企業のあるべき姿」のギャップを理解し、そのギャップを縮減するように振る舞うべきであるというギャップ分析を披露した。これは、現在でも用いられる経営分析手法の一つである。<ref>Ansoff, Igor ''Corporate Strategy'' McGraw Hill, New York, 1965.</ref>
 
ドラッカーは経営に関する数多くの書籍を現在に残しているが、経営戦略という領域においては特に二つの貢献が重要である。第一の貢献は、「明確な目標の無い組織は、舵の無い舟のようだ」と、目標の重要性を指摘した点である<ref>Drucker, Peter ''The Practice of Management'', Harper and Row, New York, 1954.</ref>。彼はこの考えを発展させて、目標管理(management by objectives)理論を導出した。第二の貢献は、現在の我々が言う所の知的財産の重要性を予見していた点である。彼は知的労働者(knowledge worker)の増加を予測し、知的労働者管理の重要性を指摘した。知的労働は非階層的であるため、何らかのタスクはそのタスクに最も精通する人間が臨時のリーダーとなって遂行されるようになるだろうとしている。
 
 
 
== 経営戦略の階層 ==
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== 参考文献 ==
<入門書>洞口治夫・行本勢基『入門・経営学』同友館、2008年[http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4496044331.html]
 
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