「東京中央郵便局」の版間の差分

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[[日本郵政]]は2008年(平成20年)[[6月25日]]、東京中央郵便局の具体的な再開発計画を発表した<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080625-OYT1T00639.htm モダニズム建築の東京中央郵便局、建て替えで38階ビルに]、[[読売新聞]](YOMIURI ONLINE)、[[2008年]][[6月25日]]</ref>。[[容積率]]の低利用という課題を克服するためである。既存の局舎は歴史的価値が高く、保存を求める声が強いこと、また[[東京駅]]などの景観との調和を図るため、外壁を可能な限り保存・活用し、その後ろに接する 形で地下4階・地上38階建て、高さ約200mの高層ビル「JPタワー(仮称)」を建設する計画となっている。千数百億円にも上る総事業費は[[郵便局 (企業)|郵便局会社]]が全額出資する。同社においては、年間300億円に達する賃貸収入により、毎年約100億円の利益向上に結びつくという<ref>朝日新聞2009年3月3日朝刊1面</ref>。
 
 日本郵政は局舎 の保存方法について第三者の有識者による「歴史検討委員会(委員長:[[伊藤滋]]早稲田大学特命教授)」からの報告を踏まえて、今回の再開発計画を策定したとし、同様の発言は衆議院総務委員会においても日本郵政側からなされているが、実際には同委員会を構成する7名中、6名が全面保存を求めていたことから、同委員会の検討プロセス・報告書に所収の各委員の各論併記となっている報告書本文の内容と、報告書掲出の設計コンセプト及び日本郵政側の「委員会の報告を踏まえて」つくられたはずの現在提示されている設計案の間に重大な乖離があり、「最初から『部分保存』の結果ありき」「アリバイづくり」と指摘する声もある(東京中央郵便局歴史検討委員会編(2008)『東京中央郵便局歴史検討委員会報告書』。同報告書は日本建築学会建築図書館にて閲覧可能。請求番号72.025)。
 
 現時点での計画においては、既存建物は外壁の2割のみ保存され、残り8割は全くの新築となる。
 
再開発によって誕生するJPタワー(仮称)は[[折り紙]]をイメージしたガラス張りのビルで、吹き抜けの多目的スペースのほか、1階には東京中央郵便局、2階から上には商業施設やオフィスが入居する予定となっている。また、東京駅や[[東京国際フォーラム]]とも地下道で結ばれる。この開発により、東京駅丸の内側の地下空間は東京駅を中心に一体的につながることになり、[[丸の内ビルディング|丸ビル]]・[[新丸の内ビルディング|新丸ビル]]などとの連関性が高まり、都市機能が高まるとされる。同ビルの設計は三菱地所設計が、建築家[[ヘルムート・ヤーン]]とともに行い、[[2011年]]度の竣工を目指す。
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また、同年[[2月27日]]、鳩山大臣は閣議後の記者会見で、[[文化財]]保護の観点から、再開発計画の見直しをすることで[[塩谷立|塩谷文部科学大臣]]と同意見であると述べた<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090228-OYT1T00115.htm 東京中央郵便局の再開発、総務相と文科相が見直しで一致]、[[読売新聞]](YOMIURI ONLINE)、[[2009年]][[2月28日]]</ref>。
 
 なお、同再開発計画に関しては、1)[[三菱地所]]から[[日本郵政公社]](当時)に社員が出向し、その出向社員が東京中央郵便局の再開発計画を担当し、出向元の関連会社である三菱地所設計に設計業務を発注したこと(注:特定個人情報の開示・名簿・名刺・受注関係資料の開示は現時点で不能)、2)[[大成建設]](現局舎の施工を担当した大倉土木の後身)が今回の再開発事業の施工を受注する以前から、同局舎に関する各種調査の特命随意契約で受注していたことが、公共工事のあり方として問題なのではないかという見方も出ている。<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20090304-OYT1T01064.htm][[読売新聞]](YOMIURI ONLINE)、[[2009年]][[3月4日]]</ref>
 
 さらに、同3月4日には、鳩山総務大臣に対して建築家・市民らにによる任意団体の保存申し入れを受け、さらに視察後も工事が継続されているとの報を聞いて臨時に視察した。
 
 その際、前野まさる東京芸術大学名誉教授は「有識者の報告を踏まえて事業を計画した」という日本郵政側の説明について「有識者は全面保存を求めていた。正しく踏まえれば高層ビル計画には至らなかった」と主張。
 
 さらに、同3月4日には、鳩山総務大臣に対して建築家・市民らにによる任意団体の保存申し入れを受け、さらに視察後も工事が継続されているとの報を聞いて臨時に視察した。
 
 その際、前野まさる東京芸術大学名誉教授は「有識者の報告を踏まえて事業を計画した」という日本郵政側の説明について「有識者は全面保存を求めていた。正しく踏まえれば高層ビル計画には至らなかった」と主張。
 また「老朽化」が建て替えの理由にされていることについて、平成8年の耐震補強工事で庁舎の構造は建築基準法の強度をほぼ満たしていることなどを説明した。
 これを受け、鳩山総務相は会談後に現地を抜き打ち視察。
 重機に削られて散らばった外壁タイルをみて「このままではどんどん壊される。一時的にせよ工事は止めるべき。日本郵政は強引」と述べた。<ref>[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090304-00000607-san-soci][[産経新聞]]、[[2009年]][[3月4日]]</ref>
 
 一方、日本郵政の[[西川善文|西川善文社長]]は、再開発を計画どおりに進めていく方針であることを、同3月3日の記者会見において明言している<ref>[http://www.asahi.com/business/update/0303/TKY200903030247.html asahi.com 東京中央郵便局、予定通り着工の意向 日本郵政社長]</ref>。もしも計画が中止になれば、再開発によって見込める将来の収入を失う上に、建設会社への多額の賠償金も発生する。郵便局会社の経営は大きな打撃を受けるとされる<ref>[http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090303ddm002010077000c.html 毎日jp 東京中央郵便局:再開発「待った」 文化財保護…日本郵政、経営打撃も]</ref><ref>[http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090303AT3S0201102032009.html NIKKEI NET 日本郵政、新たな難題 東京中央局再開発に総務相「待った」]</ref>。
 上記記事の「計画が中止になれば、郵便局会社の将来の経営は危うくなると」の根拠であるが、会見の内容、郵便局会社の会計規模からみて、不動産事業の点で、歴史的建造物の敷地数箇所を除いたことのみで「会社の経営が危うくなる」「郵便局ネット」の維持が危うくなるという論拠は曖昧であり、今後、同社の論証が待たれる。
 
 また、[[重要文化財]]ではなく、ごく限定的な部分保存で[[登録文化財]]とする交渉もなされているようであるが、これは都市の歴史的文物の保全についての事例として今後に禍根を残す恐れもあり、諸方面の専門家を交えた開かれた議論が必要であろう。
 
== 沿革 ==