「化学療法」の版間の差分

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[[パウル・エールリッヒ]]の造語で、元来は、[[感染症]]の[[化学]][[薬品]]による治療を意味していた。それが、[[微生物]]由来の[[抗生物質]]が発見され、化学薬品ではない薬物治療も化学療法と呼ばれるようになった。「'''感染症の化学療法''' (antibacterial chemotherapy)」は[[抗生物質]]の項に詳しい。[[結核]]の治療、[[自己免疫疾患]]の治療にも化学療法の語が使用される。
 
 
== 化学療法の原理 ==
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悪性腫瘍の場合は腫瘍細胞はいくつかの種類のものが混在しており、更に耐性を得やすく、毒性のため投与量に制限があることが多く単剤投与は失敗に終わることが多いため多剤併用療法となる。多剤併用療法も複数もやみくもに組み合わせればよいというものではなく、いくつかの重要な経験則がある。標的とする分子が異なる薬物、有効とされる細胞周期の時期が異なる物質、用量規定毒性が異なる薬物を併用するのが一般的である。さらにできるだけ[[シナジー]]を得られる投薬を工夫する。このようにすることで、結果として最小の毒性で最大の結果が得られると考えられている。その結果、がんが耐性化を獲得する機会が最小になる。
 
また、近年は[[支持療法]]の進歩で多くの抗がん剤において[[最大耐容量]](患者が耐えうる最大の投与量: MTD)をさらに増やすことができるようになったということが注目に値する。[[G-CSF]]の投与によって骨髄抑制を回復をはかる時間を短くとることができ、[[アロプリノール]]の投与によって、[[腫瘍融解症候群]]を抑制し、全身合併症を減少させることができるようになった。[[フォリン酸]](ロイコボリン)の投与によって[[メソトレキセート]]の大量投与が可能になった。また[[フォリン酸]]と[[フルオロウラシル]]の併用がフルオロウラシル単独投与よりも治療効果が高いということも分かってきた。またacute emesisの治療薬が開発されることにより、治療中も食事摂取が可能な場合が増えてきたといったことがあげられる。治療効果とは関係はないが[[オピオイド]]を駆使した[[疼痛]]対策、[[緩和医療]]の発達により患者の[[QOL]]も著しく高まったといえる。
 
感染症治療と抗がん剤投与が原理がほぼ同じであるため、感染症学で多用されるPD(薬力学)、PK(薬物動態学)といった概念は腫瘍学でも有効であり、抗癌薬にもシナジーは存在し、脳腫瘍ではBBBがあるため使用薬剤は制限される。抗菌薬投与で髄液移行性が問題となったように、[[脳腫瘍]]に有効な抗がん剤は極めて少ない。[[非ホジキンリンパ腫]]は基本的に[[R-CHOP療法]]で治療されることが多いが、病変が脳の場合はR-CHOP療法は有効でなく、HD-AraCやHD-MTXといった治療が選択される。
 
自己免疫性疾患に対する化学療法において、優れた選択性をもつものはまだ存在しない。そのため、全般的な免疫抑制を起こす[[免疫抑制剤]]が使用される。
 
== 細菌に対する化学療法 ==
== 関連項目 ==
*[[{{main|化学療法 (悪性腫瘍細菌)]]}}
*[[== ウイルスに対する化学療法 (細菌)]]==
{{main|抗ウイルス治療}}
== 真菌する化学療法 ==
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== 寄生虫に対する化学療法 ==
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== 悪性腫瘍に対する化学療法 ==
{{main|化学療法 (悪性腫瘍)}}
== 自己免疫疾患に対する化学療法 ==
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