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消費者金融が特に成長してきたのは1990年代初頭の、いわゆる[[バブル経済]]崩壊以降である。成長の背景には、バブル崩壊によって経済的に苦しい消費者家庭が増加したこと、[[自動契約機]]の導入([[1993年]]以降)、それまで深夜帯に限られていた[[コマーシャルメッセージ|テレビコマーシャル]]が[[ゴールデンタイム]]など、それ以外の時間帯でも解禁([[1995年]])されたことなどがあった。これらの追い風を受けて、消費者金融は業界をあげて、それまでの暗い「'''サラ金'''」「'''街金'''」のイメージの払拭に努めた。その結果、駅前の[[雑居ビル]]の狭い店鋪で担当者と向き合って融資を申し込むといった旧来の形だけではなく、[[郊外]]の国道沿いに設置された[[自動契約機]]へ契約申込をする利用者も増加した。また、「[[女性]]専用ダイヤル」と称して、女性スタッフとの[[電話]]で振り込むという、実際には傍らに男性がいても「女性対女性」をうたい、女性が安心して融資を受けられると錯覚する環境を作る会社も増加した。この勢いで、大手業者には[[株式公開|株式を公開]]([[上場]])する会社も現れた。株式公開(上場)することによって、経営者一族が莫大な富を得た例も知られている。
 
そのような中で[[2000年]]前後からは全情連(全国信用情報センター連合会)加盟の情報センター、[[CIC]]、[[全国銀行個人情報センター]]の[[信用情報|個人信用情報機関]]によるブラック(「ネガティブ」又は「ネガ」とも)情報の交流(CRIN)「CRIN(Credit Information Network クリン)」が開始され、与信の厳格化が図られた。これによって'''大手6社'''などでは契約者の属性が向上し経営自体は健全化していったが、スケールメリットのある大手業者とこじんまりと経営可能な小規模業者の間に挟まれた中堅クラスの業者の中には、急激に業績が悪化して倒産、大手業者による買収、または[[債権譲渡]]するものも現れた([[会社更生法]]が適用され更生計画が認可されると、更生計画に入っているものを除いた会社更生手続開始以前の債権は効力を失うため、[[過払金]]返還請求に大きな影響がある)。本来、信用情報の目的は貸金業者自身の経営の健全性ではなく、過剰貸付を防止し、もって多重債務者の発生を減少させることにある。この点につき、その目的とは裏腹に信用情報が一部の業者で勧誘の材料として用いられているとの指摘があるが、この行為は信用情報の目的外使用であり信用情報交換契約(信用情報機関とその会員たる貸金業者間で交わされている契約)違反である。したがってこの指摘は目的外使用に民事上の責任追及しかなされないことの問題を指摘したものということができる。また、[[個人情報保護法]]が適用される信用情報に関しては同法違反となる可能性もある。
 
なお、この頃「[[ヤミ金]]」被害が急増しており、その原因を上記のような信用情報機関の情報交流による与信の厳格化と中堅業者の淘汰に求める見解もある。他方、消費者金融業界は、原因は2000年の[[出資法]]改正による上限金利の40.004%から29.2%への引き下げによる中小零細業者の撤退・倒産にあるとしており、業者の淘汰の原因を信用情報の交流に求めるか法改正に求めるかの点において上記の見解と異なる。また、この2つの見解と異なった視点から、この時期のヤミ金被害急増の原因は[[不況]]の長期化による[[所得]]の減少、[[デフレーション|デフレ]]による金融債務の実質負担の増加、暴対法施行及び不況による[[暴力団]]員のサイドビジネスへの進出、[[携帯電話]]の普及などにあるとする見解もある。2003年にヤミ金対策を主目的に貸金業規制法が改正されたと同時に、出資法の上限金利の引き下げが論じられたが実現しなかった。