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== 細胞構造 ==
原生生物としては非常に大きく、巨大な[[液胞]](或いは水嚢; pusulen)で満たされた細胞は直径1~2mmに達する。外形はほぼ球形で、一カ所でくぼんだ部分がある。くぼんだ部分の近くには[[細胞質]]が集中していて、むしろそれ以外の丸い部分が細胞としては膨張した姿と見ていい。くぼんだ部分の細胞質からは、放射状に原形質の糸が伸び、網目状に周辺に広がるのが見える。くぼんだ部分からは1本の触手が伸びる。細胞内に[[共生|共生藻]]として[[緑藻]]の仲間を保持している場合もあるが、緑藻の葉緑体は消滅しており光合成産物の宿主への還流は無い。細胞は[[触手]](tentacle)を備え、それを用いて他の原生生物や[[藻類]]を捕食する。触手とは別に二本の[[鞭毛]]を持つが目立たない。
 
このように、およそ渦鞭毛虫とは思えない姿である。一般に渦鞭毛虫は体に縦と横の溝をもち、縦溝には後方への鞭毛を、横溝にはそれに沿うように横鞭毛をはわせる。ヤコウチュウの場合、横溝は痕跡程度にまで退化し、横鞭毛もほぼ消失している。しかし、縦溝は触手のある中心部にあり、ここに鞭毛もちゃんと存在する。ただし、それ以外の細胞が大きく膨らんでいるため、これらの構造は目立たなくなってしまっているのである。