「死神 (タロット)」の版間の差分

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マルセイユ版に描かれる「死」はマルセイユ版タロットの大アルカナに名を連ねる数種のカードをモチーフとして採用されている。まず、[[大鎌]]を持つ禍々しい[[骸骨|ガイコツ]]のような人物(?)は、姿勢や棒状の物体(鎌の柄)といった構図から大アルカナの'''「[[愚者]]」'''であるとされる。事実、「愚者」は特定の数字を持たないのに対し「死」は特定の名前を持たない。また、暗黒の大地(いわゆる、死後の世界の意)に散乱する手や足に混じって女性の頭部と[[冠|王冠]]をのせた男性の頭部が描かれている。男性のモチーフは'''「[[戦車 (タロット)|戦車]]」'''に登場する若き王とされる(女性については男性に比べ象徴的な情報が少なく説も多々存在し、共通の説として「対立物としての象徴」とされる)。
 
これらが意味するところは、12番の'''「[[吊された男]]」'''において「現状の変容」を求められた人物の内面における自己変革の段階を描いた構図であり、「戦車」として行動を起こした際の観念(頭)も、拠って立つところ(足)も、活動(手)も、もはや現段階では意味をもたず、前進のためには一度バラバラに「破壊」されることが必要であることを示している。さらに、骸骨は性別を判断しにくい特性から「[[両性具有]]」的であると解釈され、'''「[[世界 (タロット)|世界]]」'''に描かれる“完璧なる存在”により近いこの象徴が、「愚者」に比べ「死」が「世界」に近づいていることを表している。故に、鎌を振るうのは(内面的変革を促す立場にある)「骸骨」なのである。
 
追記として、骸骨の片足は大地に突き刺さった状態で描かれ、その場で回転している状態を表している。回転、即ち「[[螺旋]]」は“死の本質は螺旋を描きながら変容していく”と同時に“死は変化であると同時に静止である”という暗示を与え、[[アレイスター・クロウリー]]がデザイン監修を行った'''[[トート・タロット]]'''などの一部の[[デッキ]]においては、大鎌を振り回しながらクルクルと「死の舞踏」を舞う'''死神'''の姿が描かれている。