「耳なし芳一」の版間の差分
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==物語==
[[画像:耳なし芳一(神戸市・須磨寺)Img360a.JPG|
芳一は[[平家物語]]の[[弾き語り]]が得意で、特に[[壇ノ浦]]の段は「鬼神も涙を流す」と言われるほどの名手だった。▼
▲阿弥陀寺に芳一という[[盲人|盲目]]の[[琵琶]]法師が住んでいた。芳一は[[平家物語]]の[[弾き語り]]が得意で、特に[[壇ノ浦]]の段は「鬼神も涙を流す」と言われるほどの名手だった。
ある夜、[[和尚]]の留守の時、突然一人の[[武士]]が現わる。芳一はその武士に請われて「高貴なお方」の屋敷に琵琶を弾きに行く。盲目の芳一にはよくわからなかったが、そこには多くの貴人が集っているようであった。[[壇ノ浦]]の戦いのくだりをと所望され、芳一が演奏を始めると皆熱心に聴き入り、芳一の芸の巧みさを誉めそやす。が、語りが佳境になるにしたがって皆声を上げてすすり泣き、激しく感動している様子で、芳一は自分の演奏への反響の大きさに内心驚く。芳一は七日七晩の演奏を頼まれ、夜ごと出かけるようになる。▼
▲[[壇ノ浦]]の戦いのくだりをと所望され、芳一が演奏を始めると皆熱心に聴き入り、芳一の芸の巧みさを誉めそやす。が、語りが佳境になるにしたがって皆声を上げてすすり泣き、激しく感動している様子で、芳一は自分の演奏への反響の大きさに内心驚く。芳一は七日七晩の演奏を頼まれ、夜ごと出かけるようになる。
和尚は目の悪い芳一が夜出かけていく事に気付いて不審に思い、寺男たちに後を付けさせた。すると芳一は一人、平家一門の[[墓地]]の中におり、平家が崇拝していた[[安徳天皇]]の墓前で無数の[[鬼火]]に囲まれて琵琶を弾き語っていた。寺の者たちは慌てて芳一を連れ帰り、和尚に問い詰められた芳一はとうとう事情を打ち明けた。これは危ない、このままでは芳一が平家の[[怨霊]]に殺されてしまうと和尚は案じたが、生憎夜は[[法事]]で芳一のそばについていてやることが出来ない。そこで法事寺の小僧と共に芳一の全身に[[般若心経]]を写し、芳一に今夜は武士が迎えに来ても返事をするな、と堅く言い含めた。
その夜、芳一が一人で座っていると、いつものように武士(平家の怨霊)が芳一を迎えに来た。しかし経文の書かれた芳一の体は怨霊である武士には見えない。芳一が呼ばれても返事をしないでいると、「声も聞こえない、姿も見えない。さて芳一はどこへ行ったのか……」という声が聞こえる。そして[[怨霊]]は、耳だけが闇に浮いているのを見つけ、「芳一がいないなら仕方がない。証拠に耳だけでも持って帰ろう」と、芳一の耳をもぎ取って去った。
朝になって帰宅した和尚は芳一の様子に驚き、一部始終を聞いた後に芳一に詫びた。芳一の身体に般若心経を写経した際、小僧が[[耳]]にだけ書き漏らしてしまった事が原因であった。その後怪我は手厚く治療され、この不思議な事件が世間に広まって彼は「耳なし芳一」と呼ばれるようになった。琵琶の腕前も評判になり何不自由なく暮らしたという。
==解釈==
一説に[[明石覚一]][[検校]]がモデルとされている。
▲[[画像:耳なし芳一(神戸市・須磨寺)武者365a.JPG|thumbnail|270px|『耳なし芳一』のクライマックス(神戸・須磨寺)]]
==類話==
上記の話が、一般的に「耳なし芳一」と言われるものであるが、これ以外にも幾つかの類話が存在しており、部分部分で話が違っていたり、結末が異なったりする。
==派生==
===「耳なし芳一」を扱った作品===
*小説『[[怪談_(小泉八雲)|怪談]]』(Kwaidan、[[小泉八雲]])の「耳なし芳一」
*映画「[[怪談 (
*アニメ「[[まんが日本昔ばなし]]」(愛企画センター、[[グループ・タック]]、MBS[[毎日放送]]制作)の一話、「耳なし芳一」
===「耳なし芳一」にちなんだ命名===
*[[コローニ]] - [[1991年]][[日本グランプリ (4輪)|日本グランプリ]]参戦時のマシンのカラーリングが「耳無し芳一」と称された。
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*[http://www.t3.rim.or.jp/~minwaza/present/houichi.html 劇団みんわ座「耳なし芳一」]
[[Category:怪談]]
[[Category:障害を持つ架空の人物]]
[[Category:山口県を舞台とした作品]]
[[Category:下関市]]
[[Category:長門国]]
[[en:Hōichi the Earless]]
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