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脳内出血現在の最新版より転載後改変
クモ膜下出血の現在の最新版より転載
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脳内出血発症直後は血腫内の赤血球膜は正常であり、内部の[[ヘモグロビン]]の多くは酸素を含むオキシヘモグロビンである。オキシヘモグロビンは反磁性体のためT1緩和時間、T2緩和時間に影響を与えないが、血餅は水分を含むため、軽度のT2延長を示すのが一般的である。オキシヘモグロビンは数時間以内にデオキシヘモグロビンとなる。デオキシヘモグロビンは常磁性体であり、T2WIにて著明な低信号を示すようになる。磁化率効果に鋭敏なのはグラディエントエコー法であるT2*強調画像である。この画像では急性期血腫は著明な低信号を示す。しかしT2*強調画像では急性期血腫と慢性期血腫の区別が難しい。急性期から亜急性期にかけてデオキシヘモグロビンは辺縁から酸化されメトヘモグロビンに変化していく。メトヘモグロビンは常磁性体であり著明なT1短縮効果を示すためT1WIにて高信号化してくる。この時期には同時に血腫融解がはじまる。赤血球膜破壊によるメトヘモグロビンの血球外流出、浮腫性変化によってT2WIにて高信号化してくる。このころはCTでは血腫の辺縁が低吸収域になってくるため、MRIの方が血腫の境界、浮腫性変化を正確に判定できる。慢性期になるとメトヘモグロビンはヘモジデリンとなり、浮腫も落ち着き、T1WI、T2WIともに低信号となる。T2*強調画像でも低信号を示す。
===クモ膜下出血===
最も有名なくも膜下出血のCT所見にペンタゴンといわれる[[鞍上槽]]への出血が知られているが、これは頭蓋内内頚動脈動脈瘤破裂の場合によく認められるもので、それ以外の動脈瘤破裂によるクモ膜下出血ではこのような画像にはならない。また破裂動脈瘤の30%ほどに脳内出血を合併すると言われている。[[脳動脈瘤]]の好発部位としては前交通動脈(Acom)、中大脳動脈の最初の分枝部、内頚動脈-後交通動脈(IC-PC)とされている。前交通動脈瘤では前頭葉下内側および[[透明中隔]]に、IC-PCでは側頭葉に、中大脳動脈瘤では外包および側頭葉、前大脳動脈遠位部動脈瘤では[[脳梁]]から[[帯状回]]に脳内血腫を形成する。高血圧性の脳内出血と明らかに分布が異なるほか、原則として近傍に[[クモ膜下出血]]を伴っている。亜急性細菌性心内膜炎や絨毛がんなどでは動脈瘤を合併し、クモ膜下出血、脳内出血を合併することが知られている。以下に出血部位から責任動脈瘤を推定する方法を纏める。
{| class="wikitable"
!nowrap|破裂部位!!nowrap|出血の広がり
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|前交通動脈||大脳縦裂前部、交叉槽、脚間槽などからシルビウス裂まで左右対称的に存在、透明中隔腔内の血腫が特徴的である。
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|中大脳動脈||同側のシルビウス裂を中心に存在する
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|頭蓋内内頚動脈領域||鞍上部脳槽を中心に非対称的に両側性に存在する。所謂、ペンタゴンである。
|-
|椎骨脳底動脈領域||迂回槽、脚間槽、橋槽を中心に左右対称性に存在する。
|}
 
== 脚注 ==