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仕舞の基本は摺り足であるが、足裏を舞台面につけて踵をあげることなくすべるように歩む独特の運歩法で(特にこれをハコビと称する)、これを円滑に行うためには膝を曲げ腰を入れて重心を落とした体勢をとる必要がある。すなわちこれが「構え」である。また能は、歌舞伎やそこから発生した日本舞踏が横長の舞台において正面の客に向って舞踏を見せることを前提とするのに対して、正方形の舞台の上で三方からの観客を意識しながら、円を描くようにして動く点にも特徴がある。 能舞台は音がよく反響するように作られており、演者が足で舞台を踏む(足拍子)ことも重要な表現要素である。
 
以下に主な仕舞の型の例を示す。
 
;シカケ(サシコミ)
:すっと立ち、扇を持った右手をやや高く正面にだす。
;ヒラキ 
:左足、右足、左足と三足(さんぞく)後退しながら、両腕を横に広げる。シカケとヒラキを連続させる型をシカケヒラキ(サシコミヒラキ)と呼ぶ。
;左右(さゆう)
:左手を掲げて左に一足ないし数足出た後、右手を掲げて右に一足ないし数足出る型。
;サシ
:右手の扇を横から上げて正面高くに掲げる型。
;シオリ 
:目の前に手を差し出す。泣くことを示す。
;枕扇
拍子(ひょうし)
:左手で扇を持って顔を隠し、寝ていることを示す。
いずれかの足を上げ、舞台を踏む。
これら種々の型の連続によって仕舞が構成される。柳田国男の論を受けた渡辺保によれば、「踊り」が飛躍や跳躍を含む語であるのに対し、「舞」は「まわる」つまり円運動を意味する語である。 能の舞の特徴は、極端な摺り足と独特の身体の構え、そして円運動である。