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'''株式会社コムスン'''([[英語|英称]]:''COMSN, Inc.'')は、かつて[[ラディアホールディングス|グッドウィル・グループ]](現 ラディアホールディングス、以下「GWG」)のグループ会社のひとつで、GWGにおけるベンチャー系の、健康ビジネスの中核を担う福祉介護会社である。事業譲渡を完了し、清算すると報道されている。
 
社名の'''COMSN'''は、'''CommunityCOmmunity Medical Systems and Network'''の略。
 
== 沿革 ==
* [[1988年]] - [[北九州市]]にて[[榎本憲一]](社会福祉法人せいうん会理事長)により創業。当時のスタッフ従業員は2人であった。「連帯と共生で介護を行うことは、日本人のやさしい英知」であり、「介護職が、人を支え、励まし、誇りある人生の結実に役立つことを信じる」という志からのスタートであった。
* [[1989年]] - 第1回コムスンシンポジウム開催。
* [[1990年]] - 在宅介護サービスシルバーマーク取得(九州初)。
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* [[2003年]] - 訪問介護員養成事業・介護タクシーサービスに参入、[[六本木ヒルズ]]に本社移転。
* [[2004年]] - 保育サービス、ペットケアサービスに参入。
* [[2005年]] - 訪問介護事業の顧客数がアイリスケアサービス[[ニチイ学館]]を抜き国内最大となる
* [[2006年]] - GWGの感動ビジネスがスタート。コムスンの関連会社としてバーリントンハウス設立。桜湯園を買収し、施設系サービスでも大手に。各所から運営上の問題を指摘され始める。
* [[2007年]][[6月6日]] - 厚生労働省から介護サービス事業所の新規及び更新指定不許可処分を受ける<ref>[http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070606k0000e010042000c.html コムスン:厚労省、介護施設の新規開設・更新を今後認めず] MSN毎日インタラクティブ 2007年6月6日報道</ref>。(詳しくは[[#厚生労働省からの処分問題|詳細項]]を参照。)<!--詳しい情報は「厚生労働省からの処分問題」の項目に記載してください。-->
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== 介護報酬不正請求事件 ==
[[2006年]][[12月18日]]~[[12月26日]]に、東京都は同社が介護報酬の不正請求を行っている疑いがあるとして、[[介護保険法]]に基づき、都内の事業所187カ所のうち53カ所に立ち入り検査を実施したと、マスコミ各社が報じた。また、コムスンをめぐっては、東京都に「事業所がいつも留守番電話」等の様々な苦情が寄せられていると[[読売新聞]]が報じている<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20061227ik01.htm 介護報酬、コムスンが過大請求] YOMIURI ONLINE 2006年12月27日報道</ref>。一方、当初[[ラディアホールディングス|グッドウィル・グループ]]は読売新聞の記事に関して、「事実無根」と発表していた<ref>[http://www.goodwill.com/gwg/pdf/20061227143221.pdf 本日付「讀賣新聞」朝刊一面の報道につきまして] グッドウィル・グループ プレスリリース 2006年12月27日発表</ref>。
 
しかしその後、不正請求は事実であったことが都の調査により判明。読売新聞に公式に謝罪し<ref>[http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_07042408.cfm コムスン、本紙に謝罪] YOMIURI ONLINE 2007年4月24日報道</ref>、東京都から[[2007年]]4月、業務改善勧告を受けることとなった<ref>[http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_07041014.cfm 介護事業所指定、コムスンが不正取得] YOMIURI ONLINE 2007年4月10日報道</ref>。その後、東京都内の3事業所において、事業所指定の不正取得を理由に指定取消処分がなされようとしていたところ、各所は同日に廃業届を出して処分を逃れた。東京都はこれを悪質な処分逃れとしている。
 
同様の行為は全国各地でみられ、岡山県・青森県(2006年7月発覚)、群馬県、兵庫県においても同社による介護報酬不正請求や事業所指定の不正取得が発覚した。事業所指定の不正取得に関しては、東京都のケースと同様、各県当局による指定取消処分がなされる前に事業所の廃業届出を行っており、各県当局は処分逃れの疑いがあるとしている。
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特に、61か所ある事業所のうち42か所を一度に廃止する届けを出した神奈川県や、監査終了後わずか1時間半後に廃止届けを出した兵庫県の事例などでは、露骨な処分逃れが明らかとなってきている。
 
業界トップクラスの企業がこうした行動に出ていることについては、都道府県による監査実施後の廃業届出を一定程度制限する等の制度改正の必要性が指摘されている。
 
[[2007年]][[6月6日]]、[[厚生労働省]]はコムスンの介護施設について事業所の新規指定・更新の受付停止という処分を発表した。(詳しくは[[#厚生労働省からの処分問題|次項]]を参照。)
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事業者指定の権限を持つ都道府県にも影響が広がっている。6月7日に[[和歌山県]]の[[仁坂吉伸]]知事は同日行われた定例記者会見の席上、「日本シルバーサービス」から申請があっても拒否する方針であると発表。仁坂は「法の制裁を逃れようと考える人間が、福祉事業に手を出しているのはおかしい」と批判した<ref>[http://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/press/190607.html 平成19年6月知事記者会見] - [http://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/press/press_backN.html 知事記者会見バックナンバー]</ref><ref>[http://www.zakzak.co.jp/top/2007_06/t2007060710.html コムスン新子会社も拒否…和歌山県知事「認めない」] 夕刊フジ 2007年6月7日報道</ref>。また、[[宮崎県]]の[[東国原英夫]]知事や[[千葉県]]の[[堂本暁子]]知事も同様の発言を行っている。
 
コムスンなど介護サービス業者が引き起こした一連の問題で[[介護保険]]制度の信頼性が強く揺らいでいる。介護サービス業全体の監査体制や許認可の見直しが検討されることは確実な情勢となっており、今後の成り行きが注目される。また利用料金を巡っては利用者が既に支払いを済ませたものが未払い扱いにされて回収代行業者から再度請求されたというトラブルが、都や[[国民生活センター]]に対して相次いで寄せられていることも判明した。
 
[[6月8日]]、障害者サービスで虚偽の申請していたことも判明。また、樋口公一社長は、一連の問題の責任をとり社長を辞任する考えを示した。
 
またコムスンとは別に系列である[[グッドウィル・プレミア]]の子会社[[プレミア・メディカルケア]]の介護事業でも不正があったと[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]が独自取材で報じている。
 
[[6月12日]]、[[日本共産党]]は[[折口雅博]]会長を[[参考人招致]]するよう[[国会]]に求めた。
 
[[6月13日]]、業績、成果に対する報奨金制度を設けていたことが判明。一部の報道機関は報奨金制度と介護保険制度の金品等の授受の禁止を同一問題と取り上げコムスンを批判。しかし、介護保険法は、厚生省令第二十五条において居宅サービス事業者等からの利益収受の禁止等にあるように特定のサービス利用へ誘導した場合に対しての規制であって、複数サービス事業所の中の選択肢として公平性が担保された上でのコムスンの報奨金制度には社会通念上一定の理解が得られるものであった。
 
=== 処分から事業譲渡へ ===
2007年[[7月31日]]、グッドウィル・グループはコムスン及びグループ内介護事業、介護関連事業を全て譲渡することを発表。翌[[8月1日]]から、インターネット上で譲渡先公募を開始。有料老人ホームなどの施設介護事業は一括譲渡、訪問介護事業は、47都道府県に事業分割し、譲渡する。
 
移行先を選定するための「第3者委員会」も同日に設立し、以下の有識者で構成する。
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**[[大杉覚]](首都大学東京大学院教授)
 
[[8月27日]]、第3回第3者委員会が行われ、施設介護事業は業界最大手の[[ニチイ学館]]に譲渡することを発表<ref>[http://www.goodwill.com/gwg/pdf/20070827170429.pdf 株式会社コムスンの事業移行にかかる第3回第三者委員会の審議内容等について] グッドウィル・グループ プレスリリース2007年8月27日付</ref>。応募件数は52件(WEBエントリー数87件)。選考では、ニチイ学館と[[ワタミ]]の2社に絞り込まれ、最終的に売却金額がワタミより上回っていたため、ニチイ学館となった。事業譲渡日は[[11月1日]]。
 
[[9月4日]]、第4回第3者委員会が行われ、訪問介護事業の譲渡先を発表。[[ジャパンケアサービス]](北海道など)、[[セントケア・ホールディング]](宮城県など)、[[サンキ・ウエルピィ]](島根県など)など16法人に譲渡することを発表<ref>[http://www.goodwill.com/gwg/pdf/20070904162104.pdf 株式会社コムスンの事業移行にかかる在宅介護事業「在宅系サービス」の移行先法人との事業承継についての協議開始のお知らせ] グッドウィル・グループ プレスリリース2007年9月4日付</ref>(下記参照)。応募件数は675件(WEBエントリー数1,012件)。事業譲渡日は、11月1日ならびに[[12月1日]]。
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*<del>熊進企画 - 熊本</del>
 
[[9月18日]]、コムスンはホームページ上で、熊本県の譲渡先である「熊進(ゆうしん)企画」が譲渡辞退することを伝えてきたことを発表<ref>[http://www.goodwill.com/gwg/pdf/20070918094505.pdf コムスンの熊本県における在宅系サービスの事業譲渡について] グッドウィル・グループ プレスリリース2007年9月18日付</ref>。
 
翌[[9月19日]]、コムスンは熊本県以外にも三重県の「共栄」も譲渡辞退したため、第5回第3者委員会が開かれ、セントケア・ホールディングに譲渡することを発表<ref>[http://www.goodwill.com/gwg/pdf/20070919174429.pdf 株式会社コムスンの事業移行にかかる在宅介護事業「在宅系サービス」の移行先法人との事業継承についての協議開始のお知らせ] グッドウィル・グループ プレスリリース2007年9月19日付</ref>。これにより、全都道府県の事業移行契約が完了となった。
 
その他、[[9月21日]]には住宅型有料老人ホーム「[[バーリントンハウス]]」事業、介護付有料老人ホーム「[[コムスンガーデン]]」事業の譲渡先を株式会社[[ゼクスアクティブ・エイジ]](株式会社[[ゼクス]]の子会社)に譲渡することを発表<ref>[http://www.goodwill.com/gwg/pdf/20070921174352.pdf 株式会社コムスンの施設介護事業「居住系サービス」の会社分割による事業移行に関するお知らせ] グッドウィル・グループ プレスリリース2007年9月21日付</ref>。
 
その後、バーリントンハウスについては設計図書と整合しない個所が見つかったとのことで譲渡が延期され、譲渡先のゼクスからはその後の日程、動向等が発表されていない。
 
== 事業概要 ==
* 介護保険以前の高齢者福祉は行政による措置であったため、行政サービスか、委託を受けた少数の民間企業によって担われていた。したがって、原則平日9時から17時(週末休み)というのが営業時間帯の通例であり、また、利用者も権利意識は乏しく、サービス内容についての要求水準も低かった。
* コムスンは、年中無休の巡回型老人介護サービスを実現しようと、他社に先駆けて日本初の「24時間365日体制の老人介護サービス」を開発し、[[1992年]]には[[厚生省]]の「24時間巡回介護モデル企業」として指定を受け、[[1994年]]には創業地・[[福岡市]]からも補助事業指定を受ける。[[1996年]]に「24時間ホームヘルプサービス」という新ゴールドプラン(新・高齢者保健福祉推進10か年戦略)のシステム実施にもつながる。
* 更に全国各地での展開を目指し、1996年に[[東京都|東京]]本部開設、[[1998年]]には[[宮城県]]との共同による「過疎地域在宅福祉サービス推進事業」のモデル企業となる。そして[[2000年]]に[[介護保険]]の公的制度化が実施されることを念頭に、短期間で全国に拠点を展開し、本格的な全国ネットワークを実現させた。しかしながら、介護保険の運用が始まってみるとサービス利用は報酬単価の低い種別のものが多く、旧来の社会福祉法人や社会福祉協議会系事業者からの利用者の転移も少ない等、結果的に需要予測が甘くかつ過大に過ぎたため、1,200ヵ所の拠点を一気に400ほどまで統合し、大量の人員整理を行う等大きな混乱を引き起こした。[[2003年]]より、グループホームをはじめ施設系サービスを積極的に展開し、訪問系の事業の比重が低下した結果、2006年春の介護保険法改正の影響は他社に比較して少なく抑えられたとされる。
* ちなみにコムスンヘルパーの制服のピンク色は[[折口雅博]]・[[グッドウィル・グループ]]代表取締役会長兼CEOの好きな色といわれている。ピンク色が1,000人ほど一斉に「[[#コムスンの誓い|コムスンの誓い]]」を唱和する光景がテレビ[[コマーシャルメッセージ|CM]]を通じて放映されていた。
* 2000~[[2001年]]頃の体制縮小時には、性急かつ強引に従業員が退職や配置転換を迫られたり、労組役員に就任した従業員が懲戒解雇に追い込まれたこと等がマスコミ各社より報じられた。慰謝料支払いや解雇無効確認を求める訴訟も複数提起され、コムスン側は一転して非を認めて和解に応じるに至っている。
* また、[[介護支援専門員]](ケアマネージャー)の標準担当件数が引き下げられた後、折口雅博会長自らが「全ケアマネージャーは新規を月3件ノルマで増やすように」と介護福祉関連企業のトップとしては信じ難い指示を出し続け、更に周囲の経営陣もそれを止めないなど「折口氏を含む経営陣全員が介護福祉に疎く不勉強」であると窺わせることを行っていた。
* 他方、社風について「結果さえ出していれば本社にもボトムアップで率直に改善提案ができる」「意外に風通しのよい会社である」とする意見もある。しかしながら、介護報酬不正請求や事業所指定不正取得発生の背景としては、むしろ社内チェックが十分機能せず、風通しが良好でなかったことが指摘される。まさに[[グッドウィル・グループ]]の企業体質が[[パロマ (企業)|パロマ]]と同じではないかと言う指摘も経済評論家等からがっている。
*「コムスンのほほえみ」(グループホーム)のとあるホーム長(コムスン内での役職名)は新入社員に対し「この会社は医療法人や社会福祉法人とは違う、一般企業だから他施設のようにただ介護をしているのでは勤まらない」と発言し、「コムスンは施設と違って頑張った人間、出来る人間はすぐに上に行ける、給料も上がる、やればやっただけ認めてくれる会社だ」と述べている。
*グループホームの実態として「介護の知識ゼロ」の人間が要介護5に近い状況の利用者を介護している。料理の出来ない職員が作る食事はうどんを茹でただけのものや肉の塊を焼いただけのものであった。もちろん栄養や各利用者の摂食に関する情報なども理解できていない。入浴介護中に巡回に来たスーツ姿の営業・人事担当者などが浴室に入ってくる事も多く、介護活動の場としては到底考えられないレベルで業務が行われていた。
* 現在の主要な労働組合は、連合系[[全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟|UIゼンセン同盟]]傘下の[[日本介護クラフトユニオン]](通称NCCU)コムスン分会で、ユニオンショップ制のため、原則社員は全員加入している。