「リタッチ」の版間の差分

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打球をノーバウンドで野手が捕らえても[[ボールインプレイ]]であり、走者は自由に走塁を試みて構わない。しかし、打球が高い飛球となれば、その滞空時間に野手はボールをコントロールできない。凡打で打者がフライアウトになったにも関わらず、その滞空時間を利して自由に走者が進塁できれば、守備側は著しく不利になる。走者にリタッチ義務を課すことで守備側が不利にならない様に、飛球の滞空中の不当な進塁を規制しているのである。
 
== 打者走者の走塁 ==
リタッチは塁上の走者にのみ課される義務であり、打者走者にリタッチの義務は課されない。何故なら、飛球が捕らえられれば打者はアウトになるからである(公認野球規則6.05(a))。
 
従って、打球が高い飛球になれば、飛球の滞空時間を利して1塁まで打者走者は全力疾走すべきである。何故なら、飛球を野手が落球した際、確実に打者は出塁できるからである。
 
一般的な戦術として、平凡な飛球を打ち上げた際に打者が諦めて走塁を放棄する事は賢明でない。
 
== リタッチとタッグアップ ==
リタッチには2種類ある。捕球後に元いた塁に戻る走塁,捕球と同時に次の塁に向けてスタートする走塁の2つである。後者のリタッチを、特に[[タッグアップ]]という。
 
[[ファウルチップ]]は飛球の捕球ではない。従って、[[盗塁]]が敢行された時にファウルチップが起こっても、リタッチの義務は発生しない。この場面ではタッグアップすることなく、そのまま進塁すればいい。
 
== 基本的走塁法 ==
投手が投球モーションに入ると、走者は[[ハーフウェー]]までリードを取って打撃を見届けるべきである。特に1塁走者がこの走塁法を怠ると、[[フォースアウト]]の可能性が増大して危険である。その一方で、[[エンドラン]]の様にハーフウェーに止まる事無く占有塁から離れすぎるとアピールアウトの可能性が増大して危険である。
 
リタッチを考慮した基本的走塁法として、一般的に走者はハーフウェーで打撃を見届けた後に次の様な走塁を敢行する。
*''打球がゴロの場合''、進塁義務の有る走者は進塁に努める。進塁義務の無い走者は、ボールが遠くに有れば進塁を試み、ボールが近くに有れば占有塁に戻る。
*''打球がライナーの場合''、打球が外野まで到達すれば、ハーフウェーで走者は待機し外野手の守備を見届ける。打球が内野手の近辺に飛んで行けば、走者は占有塁に戻る。
*''打球が内野フライの場合''、占有塁に走者は戻る。
*''打球が浅い外野フライの場合''、走者はハーフウェーで外野手の守備を見届ける。
*''打球が深い外野フライの場合''、走者はタッグアップに備える。但し、1塁にしか走者が居ない場合では1塁走者はハーフウェーで外野手の守備を見届ける。
*''バットに投球が当たらなかった場合''、ボールを捕手が捕らえていれば、走者は占有塁まで戻る。ボールを捕手が見失っていれば、進塁を走者は試みる。
 
== 2死からの走塁 ==
野球のルールの中で、リタッチは最も基本的なものの1つである。従って、「打球が高いフライとなれば走者は元の塁に戻る」と、野球経験者なら骨の髄まで染み付いている。
 
しかし、アウトカウントが2死の場合は例外である。野球は3アウトで攻守交代するので、2死ではリタッチ義務は発生しない。従って、2死では投球がバットに当たった瞬間に次塁に向けてスタートを切る事が望ましい。
 
2死からの走塁に例外と言えそうなのは、「打球が深いサードゴロになった場面で3塁に向けて2塁走者が進塁する事」くらいである。深いサードゴロだと内野安打になりやすいが、3塁手の近くに2塁走者が接近すれば容易に触球されて2塁走者はアウトになる恐れが有る。
 
== 注意点 ==
ボールインプレイであれば、何時でも走者は進塁を試みて構わない。例外は無い。例え飛球が捕らえられても、リタッチ義務を無視して進塁する事はルール違反ではない。
 
飽くまでも、リタッチは[[アピールプレイ]]の対象になるだけの走塁規則である。守備側がアピールプレイを怠れば、飛球の滞空時間を利した進塁は正規の走塁になる。リタッチ義務を果していない走者を殺す為には、所定の規則により守備側がアピール権が失われるよりも前にアピールアウトしなければいけない。
 
== 関連項目 ==