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'''リタッチ'''(英:retouch)とは、[[野球]]や[[ソフトボール]]で、規則により[[走者]]が帰塁しなければならない塁に帰って、その塁に触れ直す行為をいう。[[公認野球規則]]2.65により、リタッチは定義されている。
 
この他、[[ファウルボール]]が捕球されなかった場合に元いた塁に戻る場合にも、この言葉が使われる。
 
== 概要 ==
打者が[[飛球]]を打ち、これを野手が捕球した場合、走者は投球時に占有していた塁(元いた塁)まで戻り、これに触れ直さなければならない。飛球が捕らえられ後、走者が正しくリタッチするまでに、野手がその走者の身体もしくはその走者がリタッチを果たすべき塁飛球に触球すまでその走者は[[アウト (野)|アウト]]なる占有していた塁公認野球規則7.08(d)元いた塁触れていければならない。これを'''リタッチの義務'''という。これは、内野ライナーが捕らえられたときによく見られるプレイである。この他、ヒット性の打球を外野手が好捕した場合にもよく観られる。
 
走者が正しくリタッチを果たす前に、野手がその走者の身体もしくはその走者がリタッチを果たすべき塁に触球すると、その走者は[[アウト (野球)|アウト]]になる(公認野球規則7.08(d))。また、野手が飛球に触れるよりも走者の離塁のほうが早かった場合には、野手がその走者の身体もしくはその走者がリタッチを果たすべき塁に触球して、審判員に[[アピールプレイ|アピール]]することで、(審判員がこのアピールを認めれば)走者はアウトになる。しかし、走者の離塁が早かったにも関わらず、守備側からアピールがなく次のプレイが1つでも行われた場合には、その走塁は正当化され、有効になってしまう([[ルールブックの盲点の1点]]も参照のこと)。
 
== リタッチの目的 ==
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リタッチは塁上の走者にのみ課される義務であり、打者走者にリタッチの義務は課されない。何故なら、飛球が捕らえられれば打者はアウトになるからである(公認野球規則6.05(a))。
 
従って、打球が高い飛球になれば、飛球の滞空時間を利して1塁まで打者走者は一塁まで全力疾走すべきである。何故なら、飛球を野手が飛球を落球した際、確実に打者は出塁できるからである。一般的な戦術として、平凡な飛球を打ち上げた際に打者が諦めて走塁を放棄することは賢明でない
 
一般的な戦術として、平凡な飛球を打ち上げた際に打者が諦めて走塁を放棄する事は賢明でない。
 
== リタッチとタッグアップ ==
リタッチには2種類ある。捕球後に元いた投球当時の占有塁に戻る走塁、野手が捕球する(厳密には、飛球に触れる)のと同時に次の塁に向けてスタートする走塁の2つである。後者のリタッチを、特に[[タッグアップ]]という。
 
[[ファウルチップ]]は飛球の捕球ではない。従って、[[盗塁]]が敢行された時にファウルチップが起こっても、リタッチの義務は発生しない。この場面ではタッグアップすることなく、そのまま進塁すればいい。
 
== 基本的走塁法 ==
投手が投球モーションに入るとったら、走者は[[ハーフウェー]]までリードを取って打撃を見届けるべきである。特に塁走者がこの走塁法を怠ると、[[フォースアウト]]の可能性が増大して危険である。その一方で、[[エンドラン]]の様にハーフウェーに止まる事無く占有塁から離れすぎるとアピールアウトの可能性が増大して危険である。
 
リタッチを考慮した基本的走塁法として、一般的に走者はハーフウェーで打撃を見届けた後に次の様な走塁を敢行する。
*''打球がゴロの場合''、進塁義務[[フォースプレイ|フォース状態]]にある走者は進塁に努める。進塁義務の無い走者は、ボールが遠くに有れば進塁を試み、ボールが近くに有れば占有塁に戻る。
*''打球がライナーの場合''、打球が外野まで到達すれば、走者はハーフウェーで走者は待機し外野手の守備を見届ける。打球が内野手の近辺に飛んで行けば、走者は占有塁に戻る。
*''打球が内野フライの場合''、走者は占有塁に走者は戻る。
*''打球が浅い外野フライの場合''、走者はハーフウェーで外野手の守備を見届ける。
*''打球が深い外野フライの場合''、走者はタッグアップに備える。但し、走者が一塁にしか走者が居ない場合では1、一塁走者はハーフウェーで外野手の守備を見届ける。
*''バットに投球が当たらなかった場合''、ボールを捕手が捕らえていれば、走者は占有塁まで戻る。ボールを捕手が見失っていれば、進塁を走者は進塁を試みる。
 
== 2死からの走塁 ==
野球のルールの中で、リタッチは最も基本的なものの1つである。従って、「打球が高いフライとなれば走者は元の塁に戻る」と、野球経験者なら骨の髄まで染み付いている。
 
== 死からの走塁 ==
野球のルールの中で、リタッチは最も基本的なものの1つである。「打球が高いフライとなれば走者は元の塁に戻る」と、野球経験者なら骨の髄まで染み付いている。しかし、アウトカウントが2死の場合は例外である。野球やソフトボールで、第3アウトが宣告されたら攻守交代するので、死ではリタッチ義務は発生しない。従って、2の場合、走者は投球がバットに当たった瞬間に次塁に向けてスタートを切る事が望ましい。
 
死からの走塁に例外と言えそうなのは、「打球が深いサード三塁ゴロになった場面で、三塁に向けてフォースの状態でない二塁走者が進塁すること」くらいである。深いサード三塁ゴロだと内野安打になりやすいが、塁手の近くに塁走者が接近すれば容易に触球されて2塁走者はアウトになる恐れがる。
 
== リタッチとアピール ==
== 注意点 ==
ボールインプレイであれば、何時でも走者は進塁を試みて構わない。例外は無い。例え飛球が捕らえられても、リタッチ義務を無視して進塁すること自体はルール違反ではなく、それだけで走者はアウトにはならない。ただし、リタッチを行わなかった走者は、塁を空過した走者と同様、[[アピールプレイ]]の対象となる。守備側がリタッチを行わなれなかったことを審判員にアピールすれば、この走者はアウトになる
 
くまでも、リタッチは[[アピールプレイ]]の対象になるだけの走塁規則である。守備側がアピールプレイを怠れば、飛球の滞空時間を利した進塁は正規の走塁になる。リタッチ義務を果していない走者をアウトにるためには、所定の規則により守備側がアピール権が失われるよりも前にアピールアウトしなければいけない。
 
== 関連項目 ==