「トロンボテスト」の版間の差分

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トロンボテスト(英:thrombotest)とは、血液検体の[[凝固因子]]活性を総合的に測定する検査薬のひとつである。凝固第II因子、第VII因子および第X因子を含めた外因系凝固活性に相関し、凝固系の外因系を総合的に評価できる検査薬である。[[ワルファリン]]という抗凝固薬の服用中の薬効評価(モニタリング)に用いられ、検査値としては凝固活性(%)あるいはINR(International Normarized Ratio:国際感度指標)が用いられる。ワルファリンのモニタリングにはスクリーニング用途として利用されているPT試薬も用いられるが、検査上の測定原理と測定精度の信頼性の側面から、トロンボテスト(TT)の方がワルファリンの出血リスクあるいは治療効果の実態を正確に反映することができる凝固検査法である。なお、北米や論文においては、PT-INRというプロトロンビン時間(PT)による表記法のひとつの単位が用いられているが、トロンボテストにおいてもINR表記法は適用され、北欧(スカンジナビア地方)、フィンランド、ベネルクス三国、オランダ、デンマークやロシアの一部、欧州ではオーストリアと北イタリア、そして、我が国、日本で普及しているワルファリン抗凝固薬剤のモニタリングに適した凝固検査試薬である。
 
PT-INRは、プロトロンビン時間測定(PT)で検査された場合のINRという検査結果である。プロトロンビン(第Ⅱ因子)を測定するという意味に捉えられるが、Quick一段法(1935年)が開発された当時は、凝固第I因子、第Ⅱ因子、そして第Ⅲ因子の存在しか知られていなかったため、PT測定という呼び名が今日でも残っている。なお、PT測定はプロトロンビン(第Ⅱ因子)だけではなく、第Ⅶ因子、第X因子、そして、ワルファリン投与によって影響を受けない第V因子とフィブリノゲン(第I因子)までを測定する、いわば外因系凝固スクリーニング検査法である。一方、後述するようにトロンボテスト(TT)は、ワルファリンによって影響を受けるビタミンK依存性凝固因子(Ⅱ、Ⅶ、X)だけを特異的に検査値として反映することができるPT測定より特異性の高い検査である。
 
トロンボテストは以下の臨床検査の実施料(日本)となり、スクリーニング検査であるPTよりも保険点数が高いために、ワルファリンのモニタリングにおける測定精度と信頼性が高い検査である。