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===Pagan===
英語''Pagan''の語源は、ラテン語の形容詞'''paganus'''(「田舎の」)である。名詞'''paganus'''(形容詞と同形) は「田舎の住民」「村人」を意味した。口語的には、誰かをbumpkin(無骨者)とか、山地住民を[[侮蔑]]してhillbilly(山猿)などと呼ぶようなものであったと思われる。''Paganus''はほとんど例外なく[[侮蔑語]]として用いられた。因みに、英語の '''villain'''(悪党) もPagan同様に"villager"(むらびと)という語から派生した語である。(膨張するキリスト教信者らが[[北ヨーロッパ|北欧]]や[[スカンジナビア]]の異教徒をvillainと呼んだ)。キリスト教信仰は極めて初期の時代から、田舎よりも都会において浸透が遥かに早かった(例えば[[アンティオキア]]、[[アレキサンドリア]]、[[コリント]]、[[ローマ]]など。実際、初期のキリスト[[教会]]はほとんど全て都会にある)。その結果じきに「田舎の住人」は「非キリスト教徒」を意味するようになり、"pagan" が現在の意味を持つ起こりとなった。このような浸透速度の差は主に、田舎の人々が保守的な性格で都市部に住む人々よりもキリスト教という新しい思想に対して抵抗したことに関係があったのかも知れないし、あるいは初期の[[宣教]]活動が、人口が拡散している田舎よりも集中している街中に力点を置いていた為かも知れない。
 
<ref>ラテン語 '''paganus''' の古典期以降の「非キリスト教、不信心者」としての意味論的な発展ははっきりしない。この意味がいつ発生したかは論争がある。だが、4世紀が最もそれらしいと思われる。初期の使用例は[[テルトゥリアヌス]]の<span style="text-decoration:underline;">De Corona Militis xi</span>にある: ''"Apud hunc [sc. Christum] tam miles est paganus fidelis quam paganus est miles infidelis"''。だが、この ''paganus'' は「不信心者」より「市民」という意味で解釈すべきであろう</ref>
 
*発展について、主な説は3つある。
*#古典ラテン語 ''pāgānus'' は古くは「田舎風の」(名詞としても)という意味であった。[[ローマ帝国]]の都市部でキリスト教が受容された後も、田舎の村では[[偶像崇拝]]が引き続き行われていたため、意味の変容が起きたのだと考える。Orosius <span style="text-decoration:underline;">Histories 1. Prol.</span> ''"Ex locorum agrestium compitis et pagis pagani vocantur."'' 参照のこと。
*#古典ラテン語 ''pāgānus'' のより一般的な意味は「(軍人ではない)一般市民」(形容詞、名詞)であった。キリスト教徒はローマカトリック教会の ''mīlitēs'' (応召兵)を自称していたため、自分たち以外を「(教会の)軍に参加していない」一般市民と呼んだ。
*#「野蛮な異教徒」という意味は、''paganus'' の解釈の一つから生まれた。''paganus'' は共同体やグループから外れたアウトサイダーを指すことがあった。そのため、「街の者ではない」すなわち「田舎者」となったのである。Orosius <span style="text-decoration:underline;">Histories 1. Prol.</span> ''"ui alieni a civitate dei..pagani vocantur."'' See C. Mohrmann, <span style="text-decoration:underline;">Vigiliae Christianae</span> 6 (1952) 9ff. を参照されたい。
 
-- [http://dictionary.oed.com Oxford English Dictionary, (online) 2nd Edition (1989)]
 
 
フランス語"paysan"(小作農、小規模な農家)は、英語"Pagan"と同じラテン語を起源としており、[[古フランス語]] '''paisent''' を経由したものである([http://www.perseus.tufts.edu/cgi-bin/ptext?doc=Perseus%3atext%3a1999%2e04%2e0062&query=id%3dpagus#id,pagus Harry Thurston Peck, ''Harper's Dictionary of Classical Antiquity'', 1897; "pagus"])。
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(訳注: 英語版にはこの後、ペイガニズムを支持する側と反対する側からの大量の引用がありますが、本稿では省略させていただきます。)
 
==Notes脚注==
<references />
 
*発展について、主な説は3つある。
*#古典ラテン語 ''pāgānus'' は古くは「田舎風の」(名詞としても)という意味であった。[[ローマ帝国]]の都市部でキリスト教が受容された後も、田舎の村では[[偶像崇拝]]が引き続き行われていたため、意味の変容が起きたのだと考える。Orosius <span style="text-decoration:underline;">Histories 1. Prol.</span> ''"Ex locorum agrestium compitis et pagis pagani vocantur."'' 参照のこと。
*#古典ラテン語 ''pāgānus'' のより一般的な意味は「(軍人ではない)一般市民」(形容詞、名詞)であった。キリスト教徒はローマカトリック教会の ''mīlitēs'' (応召兵)を自称していたため、自分たち以外を「(教会の)軍に参加していない」一般市民と呼んだ。
*#「野蛮な異教徒」という意味は、''paganus'' の解釈の一つから生まれた。''paganus'' は共同体やグループから外れたアウトサイダーを指すことがあった。そのため、「街の者ではない」すなわち「田舎者」となったのである。Orosius <span style="text-decoration:underline;">Histories 1. Prol.</span> ''"ui alieni a civitate dei..pagani vocantur."'' See C. Mohrmann, <span style="text-decoration:underline;">Vigiliae Christianae</span> 6 (1952) 9ff. を参照されたい。
 
-- [http://dictionary.oed.com Oxford English Dictionary, (online) 2nd Edition (1989)]
 
==関連項目==