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en:Muzzle velocity 09:19, 14 May 2009 の翻訳
 
Tosaka (会話 | 投稿記録)
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'''砲口初速'''(ほうこうしょそく、{{lang-en-short|muzzle velocity}})とは、砲口<ref>銃の場合は「銃口」となるが本項では「砲口」で統一する。</ref>から[[弾丸]]が射出されるときの速度である。
 
== 概要物理と技術 ==
砲口初速の範囲は、[[拳銃]]の場合の[[亜音速]]毎秒330340 m以下から、[[戦車砲]]から発射される[[APFSDS]]のような[[徹甲弾]]の毎秒1,800 m以上([[APFSDS]]の場合)まである。後者の速度はほぼ化学[[弾薬|装薬]]で達成できる限界値に近い。弾丸の速度は砲口で最も高く、その後は空気抵抗のため徐々に低下する<ref>弾丸速度が砲口で最も高いのは、ベースブリード弾やロケットアシスト弾(RAP)でも同様である。砲発射型のロケット弾は通常は砲弾とは呼ばれず、これらの説明とは異なり砲口を離れた後に加速する。</ref>
 
通常の[[銃]][[大砲|砲]]においては、砲口初速は装薬の質(燃焼速度および膨張率)と量、弾丸の重量および砲身の長さに依存する。燃焼速度のより遅い装薬は完全に燃え終るまでに時間を要するためにより、同じ弾では長い砲身を必要とするがより同じ砲身では重い弾丸を発射に適ることが可能である。装薬量が同じであると仮定すれば、より速く燃焼速度の速いする装薬は、軽い弾丸をより高速度に加速することができる。銃砲において、装薬の燃焼プロセスから生じる圧力は、発射砲口初の制限因子となる。安全性との効率い砲口初速を両立させるには、装薬の質と量、弾体の重さと砲身長と間の最適なバランスを見つけなければならない。
 
長い砲身は、装薬が弾丸を加速する時間を長く与える。そのため、長い砲身は、他のすべての条件が等しければ、一般的に高い砲口初速を提供する。しかし<ref>仮に非常に長い砲身があれば、弾丸が砲口に向かって進むに伴って後方の推進ガスの圧力は減少するので、もし十分に長い砲身あれば、ては弾丸砲身間の摩擦と空気の圧縮抵抗の和が、推進ガスの圧力と釣り合う点がどこかにあるはずである。そして、その点より先では弾丸の速さは減少することになる。</ref>
 
直射砲撃でも影響するが、曲射砲撃では砲口初速が射程方向での弾着精度を左右するため、基本となる弾丸重量や装薬の量と質の他にも温度や砲腔の減肉などを計算して、想定される砲口初速の変化量を微小な仰角の調整で補うようにしている。
大口径の[[艦砲]]は[[口径]]の38倍ないし50倍の砲身長を持つ。この口径/砲身長比率は、発射速度を最大にするようになっている。今日では[[海軍]]の最新兵器として、電気的に加速される[[レールガン]]への関心が高まっており、これは上に述べたような限界を克服するものと考えられている。レールガンはその装置の全長において一定した加速を提供し、砲口速度の著しい増大をもたらす。レールガンには装薬を必要としないという利点があるが、さらにその高速度によって、弾体内の[[炸薬]]も省略できる可能性がある。この場合、弾丸は厳密な意味での[[運動エネルギー弾|運動エネルギー兵器]]となる。
 
大口径の[[艦砲]]は[[口径]]の38倍ないし50倍の砲身長を持つ。この口径/砲身長比率は、発射速度を最大にするようになっている。今日では[[海軍]]の最新兵器として、電気的に加速される[[レールガン]]への関心が高まっており、これは上に述べたような限界を克服するものと考えられている。レールガンはその装置の全長において一定した高い加速を提供し、砲口の著しい増大をもたらす。<!--[[レールガン]]の動作原理を見ても[[プラズマ]]の制御が困難なため一定の加速が実現出来ない可能性のほうが高い。-->レールガンには装薬を必要としないという利点があるが、さらにその高い砲口初によって、弾体内の[[炸薬]]も省略できる可能性がある。この場合、弾丸は厳密な意味での[[運動エネルギー弾|運動エネルギー兵器]]として用いられるよう構想されている。
 
== 関連項目 ==
* [[大砲]]
* [[銃]]
* [[砲弾]]
* [[運動エネルギー]]
 
== 脚注 ==
<small><references /></small>
 
{{DEFAULTSORT:ほうこうしよそく}}