「銀行法」の版間の差分

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== 銀行・銀行持株会社の議決権保有 ==
*銀行議決権保有者
  **5%を超えて'''銀行'''又は'''銀行持株会社'''の議決権(※)を保有する者は、5営業日以内に届出書を提出しなければならず、届出書を提出した場合には「銀行議決権大量保有者」となり、その後1%以上の増減があった場合などには変更報告書を提出しなければならない(第52条の2の11から第52条の4)。なお、グループで保有する等の場合、合算されることに注意(3条の2)。また、銀行議決権大量保有者となると、報告命令・立入検査の対象となる(第52条の7及び第52条の8)
 
  5%を超えて'''銀行'''又は'''銀行持株会社'''の議決権(※)を保有する者は、5営業日以内に届出書を提出しなければならず、届出書を提出した場合には「銀行議決権大量保有者」となり、その後1%以上の増減があった場合などには変更報告書を提出しなければならない(第52条の2の11から第52条の4)。
 
   <small>※ グループで保有する等の場合、合算されることに注意(3条の2)。</small>
 
  また、銀行議決権大量保有者となると、報告命令・立入検査の対象となる(第52条の7及び第52条の8)。
 
*銀行主要株主
**主要株主基準値(原則20%)以上の'''銀行'''又は'''銀行持株会社'''(※1)の議決権(※2)を保有しようとする者は、認可を受ける必要があり(2条9項、第52条の9)、認可を受けると「銀行主要株主」となる(2条10項)。<ref>52条の9には「銀行」のみが規定されているが、3条の2第1項7号、銀行法施行規則1条の7で銀行持株会社の議決権保有も規制されている。また、グループで保有する等の場合、合算されることに注意(3条の2)。</ref>また、銀行主要株主になると、報告命令・立入検査の対象となる(第52条の11から第52条の13)。さらに、銀行主要株主のうち、議決権の50%超を保有する者は、措置命令・改善計画提出要求等の対象にもなる(第52条の13)。
 
  主要株主基準値(原則20%)以上の'''銀行'''又は'''銀行持株会社'''(※1)の議決権(※2)を保有しようとする者は、
 
  認可を受ける必要があり(2条9項、第52条の9)、認可を受けると「銀行主要株主」となる(2条10項)。
 
   <small>※1 52条の9には「銀行」のみが規定されているが、3条の2第1項7号、銀行法施行規則1条の7で銀行持株会社
 
     の議決権保有も規制されている
 
   ※2 グループで保有する等の場合、合算されることに注意(3条の2)。</small>
 
  また、銀行主要株主になると、報告命令・立入検査の対象となる(第52条の11から第52条の13)。
 
  さらに、銀行主要株主のうち、議決権の50%超を保有する者は、措置命令・改善計画提出要求等の対象にもなる(第52条の13)。
 
*銀行持株会社
**銀行を子会社とする'''持株会社'''(独占禁止法9条5項1号の持株会社をいう)になろうとする会社又は銀行を子会社とする持株会社の設立をしようとする者は、認可を受ける必要があり(52条の17第1項、第3項但書)、認可を受けると「銀行持株会社」となる(2条12項)。
 
また、銀行持株会社になると、報告命令・立入検査の対象となるほか、措置命令・改善計画提出要求等の対象にもなり(第52条の31から第52条の34)、さらに業務範囲・子会社・議決権を保有できる会社の範囲が制限され(52条21、52条の23、52条の24)、業務報告・貸借対照表等の公告・説明書類の縦覧(52条の27~52条の29)の義務その他の規制が課される。
  銀行を子会社とする'''持株会社'''(独占禁止法9条5項1号の持株会社をいう)になろうとする会社
 
  又は銀行を子会社とする持株会社の設立をしようとする者は、認可を受ける必要があり
 
  (52条の17第1項、第3項但書)、認可を受けると「銀行持株会社」となる(2条12項)。
 
  また、銀行持株会社になると、報告命令・立入検査の対象となるほか、
 
  措置命令・改善計画提出要求等の対象にもなり(第52条の31から第52条の34)、
 
  さらに業務範囲・子会社・議決権を保有できる会社の範囲が制限され(52条21、52条の23、52条の24)、
 
  業務報告・貸借対照表等の公告・説明書類の縦覧(52条の27~52条の29)の義務その他の規制が課される。
 
== 銀行法上のアームズレングスルール ==
 
*銀行は、特定関係者又は特定関係者の顧客とも、通常の条件で取引をしなければならないとのルール。銀行に不利な場合のみならず有利な場合も禁止される。「銀行と銀行グループ内会社等との利益相反取引を通じて銀行経営の健全性が損なわれること等を防止するための規定」であるとされている(主要行等向けの総合的な監督指針V-2)。
 
**銀行は、その'''特定関係者'''との間で、次の取引又は行為をすることを原則として禁止されている。
    ①**#銀行に不利な条件で行われる取引(銀行法第13条の2第1号、銀行法施行規則第14条の10)
     **#特定関係者に不当に不利益を与える条件で行われる取引(銀行法第13条の2第2号、銀行法施行規則第14条の11第2号)
 
    ③**#何らの名義によってするかを問わず、銀行法第13条の2の規定による禁止を免れる取引又は行為
    ②特定関係者に不当に不利益を与える条件で行われる取引
 
     (銀行法第13条の2第2号、銀行法施行規則第14条の11第2号)
 
    ③何らの名義によってするかを問わず、銀行法第13条の2の規定による禁止を免れる取引又は行為
 
**銀行は、その'''特定関係者の顧客'''との間で、次の取引又は行為をすることを原則として禁止されている。
    ①**#銀行に不利な条件で行われる取引(特定関係者と特定関係者の顧客が当該特定関係者が営む業務に係る契約を締結することをその取引の条件としているものに限る(銀行法第13条の2第2号、銀行法施行規則第14条の11第1号)
    ②**#何らの名義によってするかを問わず、銀行法第13条の2の規定による禁止を免れる取引又は行為
 
**特定関係者(銀行法施行令第4条の2第1項)とは以下などである。
    に係る契約を締結することをその取引の条件としているものに限る)
   ①**#子会社
 
   ②**#[[銀行法#銀行・銀行持株会社の議決権保有|主要株主]]
    (銀行法第13条の2第2号、銀行法施行規則第14条の11第1号)
   ③**#銀行持株会社
 
    ②何らの名義によってするかを問わず、銀行法第13条の2の規定による禁止を免れる取引又は行為
 
*特定関係者(銀行法施行令第4条の2第1項)
   ①子会社
 
   ②[[銀行法#銀行・銀行持株会社の議決権保有|主要株主]]
 
   ③銀行持株会社
   etc.
 
== 禁止行為 ==
 
銀行は、顧客(※)<ref>※「顧客」について、銀行法上定義されていない。</ref>に対する、次に掲げる行為をすることが禁止される。
 
 <small>※「顧客」について、銀行法上定義されていない。</small>
 
#虚偽告知(13条の3第1号)
#断定的判断の提供等(13条の3第2号)
180 ⟶ 130行目:
 
*情報提供義務(12条の2第1項)
 
*特定預金契約に係る契約締結前交付書面の交付等の義務(13条の4)
 
186 ⟶ 135行目:
 
*大口信用供与規制(13条)
 
*取締役等に対する信用の供与(14条)
 
196 ⟶ 144行目:
***14条の2
***[http://www.fsa.go.jp/policy/basel_ii/01.pdf 自己資本比率告示]
***[http://www.fsa.go.jp/policy/basel_ii/21.pdf 自己資本比率告示に関する平成24年3月31日までの特例の読替表](※)<ref>※[http://www.fsa.go.jp/news/20/ginkou/20081107-2.html 特例の概要]、[http://www.fsa.go.jp/news/20/ginkou/20081211-2.html 特例のパブコメ結果]</ref>
     <small>※[http://www.fsa.go.jp/news/20/ginkou/20081107-2.html 特例の概要]、[http://www.fsa.go.jp/news/20/ginkou/20081211-2.html 特例のパブコメ結果]</small>
**銀行持株会社
***52条の25
203 ⟶ 150行目:
***[http://www.fsa.go.jp/policy/basel_ii/22.pdf 連結自己資本比率告示に関する平成24年3月31日までの特例の読替表]
**[http://www.fsa.go.jp/policy/basel_ii/09.pdf バーゼルⅡにおける適格格付機関等を定める告示]
 
*'''バーゼルⅡ第2の柱(金融機関の自己管理と監督上の検証)'''
**主要行等監督指針Ⅲ-2-1
**預金等受入金融機関に係る検査マニュアル
 
*'''バーゼルⅡ第3の柱(市場規律)'''
**銀行
217 ⟶ 162行目:
***銀行法施行規則第34条の26第1項第4号ハ「自己資本の充実の状況について金融庁長官が別に定める事項」
***[http://www.fsa.go.jp/policy/basel_ii/12.pdf 告示]
 
*'''[http://www.fsa.go.jp/policy/basel_ii/qanda01.pdf バーゼルⅡに関するQ&A]'''
 
223 ⟶ 167行目:
 
#検査
##原則
##原則:①銀行・②当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者への検査(第25条第1項)
###銀行
##原則:①銀行・②#当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者への検査(第25条第1項)
##例外:「特に必要があると認めるときは、その必要の限度において」③子法人等<ref>銀行法施行令第4条の2第2項、銀行法施行規則第14条の7第1項</ref>・④業務委託先への検査(第25条第2項)
#処分
##業務の停止等(第26条)
##免許の取消し等(第27条)
上記以外にも、銀行法には、銀行主要株主、銀行持株会社等、銀行代理業者に関する検査・処分について規定が置かれている。
 
 
※上記以外にも、銀行法には、銀行主要株主、銀行持株会社等、銀行代理業者に関する検査・処分について規定が置かれている。
 
 
== 主要な改正 ==
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== 関連書 ==
小山嘉昭『詳解銀行法』(金融財政事情研究会、2004):銀行法に関して最も引用される文献だが、その後の改正や解釈の変更については別の文献等を参照する必要がある
 
 
== [[免許]]・[[資格]] ==
263 ⟶ 205行目:
*[[銀行]]
*[[新たな形態の銀行]]
 
*[[信用金庫法]]
*[[金融機関の信託業務の兼営等に関する法律]]
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== 脚注 ==
<references />
 
 
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