「三人吉三廓初買」の版間の差分

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本作が書かれた[[幕末]]は、動乱する政局を忘れようとするかのように、江戸の庶民は爛熟した文化と頽廃した世相の中に浸った時代だった。そうした様子が本作には如実に表されているのである。<!--『[[四谷怪談]]』や「[[与話情浮名横櫛|切られお富]]」(『与話情浮名横櫛』)などでも題材化されている。本作では、-->二人の関係を知った和尚と父の伝吉の苦悩。おぞましい事実を知らずに[[来世]]での幸福を夢見て和尚の刃に果てる二人の悲劇。単なる白浪物に終わらない深刻な人間ドラマとしての一面をももつ作品である。また舞台演劇としては、三者三様のいでたちで盗賊として活躍するさまが、高い視覚的効果をあげている<!--と評価される-->。
 
なお物語上の主役であるお嬢吉三は、堅い芸風で伸び悩んでいた三代目岩井粂三郎を売り出すため、黙阿弥が苦心して創造した「当て書き」である。お嬢吉三が実は八百屋お七というのも、粂三郎が最も得意としていたのがこの八百屋お七だったからに他ならない。このお嬢吉三は大当たりとなり、これを出世作として粂三郎は後の[[岩井半四郎 (8代目)|八代目岩井半四郎]]という大看板に成長してゆく。
 
==翻案作品==