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[[画像:UCanyonFromWengen.jpg|thumb|240px|氷食によって形成された[[スイス]]・[[ユングフラウヨッホ]]麓のU字谷<br />Stechelberg-Berneroberland,ヴェンゲン登山鉄道より]]
'''氷食'''(ひょうしょく)とは、[[岩石]]や土砂が[[氷河]]によって削られ、[[侵食]]されることを指す。氷食地形が保存され、またより'''節理'''が入っているため浸食抵抗性のある岩石ほど氷食は発達しやすい。
氷食の作用は'''削磨'''と'''剥ぎ取り'''に2分される。'''削磨'''は、さらに氷河底面に付着した微細な岩粉や砂による'''研磨'''と、粗大で硬い岩石片で流動方向に擦痕や条痕・溝などを刻む'''筋つけ'''に分けられる。
 
== 氷食地形 ==
氷河は流動する際に岩盤を研磨したり岩塊を剥ぎ取るなどの浸食作用とともに、その表面や内部に岩屑を乗せて運搬し下流部に堆積させる作用を持つ。したがって氷食地形は浸食地形と堆積地形に分けられ、いずれも特徴的な地形となる。
 
=== 浸食地形 ===
*[[圏谷]]
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氷食によってつくられた急峻な稜線。両側からのカールの後退による切り合いによって生じ、鋸歯状の縦断面をなす。 '''鋸歯状山稜'''または'''櫛形山稜'''とも言う。
*[[氷食尖峰]]
 氷食によってつくられたピラミッド型の地形。多くの氷食尖峰は3方向や4方向からのカール壁の切り合いによってつくられることが多い。'''ホルン'''とも言う。
*[[羊背岩]]
 氷河の上流側は研磨により丸みを帯び、下流側は剥ぎ取りによりごつごつした[[基盤岩]]の突出した地形。'''羊群岩'''とも言う。
 羊群岩とも言う。
 
=== 堆積地形 ===
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== 氷食輪廻 ==
1909年W.M.Davisが唱えはじめ、1911年W.H.Hobbsによって説明された説。氷河の浸食によって地形が変化する過程を一般の地形輪廻になぞらえて系統立てたもの。ただしこの説は山地氷河の浸食の場合にのみ適用され、大地の表面がほぼ氷体下に埋没してしまう大陸氷河には当てはまらない。
 
 
*[['''幼年期''']]
二つ以上の[[圏谷]]の間の山稜に比較的緩やかな地表面が残されている状態。
*[['''壮年期''']]
氷食が進行して[[圏谷]]と[[圏谷]]の間の地表面が消失し、圏谷壁が切り合うようになった状態。
*[['''老年期''']]
壮年期後は圏谷底の面積が増加せず、氷食山稜の部分が急速に風化され、ついには鋭く低い岩峰が散在するようになった状態。
 
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== 参考文献 ==
*[[浮田典良編2003『最新地理学用語辞典:改訂版』大明堂]]
*[[Susan Mayhew編2003『オックスフォード地理学辞典』田辺裕監訳、朝倉書店 ]]
 
 
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