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大雑把に言えばプラトンのイデアは判子のようなものであるが、アリストテレスのエイドスは押された刻印のようなものである。イデアは個物から独立して離在するが、エイドスは具体的な個物において、しかもつねに質料とセットになったかたちでしか実在し得ない。
 
エイドスが素材と結びついて現実化した個物をアリストテレスは'''現実態'''(エネルゲイヤ)と呼び、現実態を生み出す潜在的な可能性を'''可能態'''([[デュナミス]])とんだ。今ある現実態は、未来の現実態をうみだす可能態となっている。このように、万物はたがいの他の可能態となり、手段となりながら、ひとつのまとまった秩序をつくる。
 
アリストテレスはまた、「魂とは可能的に生命をもつ自然物体(肉体)の形相であらねばならぬ」と語る。ここで肉体は質料にあたり、魂は形相にあたる。なにものかでありうる質料は、形相による制約を受けてそのものとなる。いかなる存在も形相のほかに質料をもつ点、存在は半面においては生成でもある。