削除された内容 追加された内容
9行目:
自然界では、生物は食う食われるの関係でつながっている。ここで”食う”というのは、必ずしも[[捕食]]を意味するものではなく、[[寄生]]であっても、相手を殺すことになれば、それも含める。たとえば[[寄生バチ]]や[[病原体]]も含まれる。そのような生物を、食われる側の生物の天敵と呼ぶ。
 
実際の[[生物群集]]では、あるものを食う生物が一つしかないことは少なく、それぞれの生物は複数の天敵を持つ。ただし、[[食物連鎖]]の高い段階のものでは、ほとんど天敵を持たないものも存在する。現在の[[ヒト]]は、かつての脅威であった[[ペスト]]や[[天然痘]]が見られなくなったのでほとんど天敵がない存在である。
 
自然界の[[生物群集]]では、これら食う食われるの関係が複雑に組み合わさって、各種生物の個体数は、比較的一定に保たれているものと考えられる。どれかの種が増えれば、それを食料とする天敵が増加し、結果としてその種を減少させる力がそれまでより強まるからである。逆に天敵が増えすぎた場合も、捕食される生物の不足により数が抑制される。