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[[Image:Lizozom.PNG|right|300px|thumb|'''リソソームの形成''' 青い三角形を2つ含む灰色の袋(中央)がリソソーム。細胞膜表面(図中央上)から取り込まれた高分子(青い三角)をくるむ小体、またはゴルジ体(図左下)から出芽した[[小胞]]として形成される]]
'''リソソーム'''(lysosome; ライソソーム)は、[[真核生物]]が持つ[[細胞小器官]]の一つである。'''ライソソーム、ライソゾーム'''または'''水解小体'''(すいかいしょうたい)とも呼ばれる。[[生体膜]]につつまれた構造体で細胞内消化の場である。内部に[[加水分解]][[酵素]]を持ち、[[エンドサイトーシス]]や[[オートファジー]]によって膜内に取り込まれた生体高分子はここで[[加水分解]]される。分解された物体のうち有用なものは、[[細胞質]]に吸収される。不用物は[[エキソサイトーシス]]によって[[細胞]]外に廃棄されるか、'''残余小体'''(residual body)として細胞内に留まる。単細胞生物においては、リソソームが消化器として働いている。また植物細胞では[[液胞]]がリソソームに該当する細胞内器官である。
 
==形成過程と種別==
リソソームの形成段階は前後二段階に分けることが出来る。まず、'''一次リソソーム'''(primary lysosome、一次水解小体)と呼称され、分解するべき対象を含有しないリソソームがある。リソソームは[[ゴルジ体]]のトランスゴルジネットワークから[[クラスリン]]にコートされた[[被覆小胞]]として出芽した[[小胞]]からなり、これが分解するべき物体を含んだ小胞に融合した後のものは'''二次リソソーム'''(secondary lysosome、二次水解小体)と総称される。
 
さらに、二次リソソームはいくつか異なった経路で形成される。一つは、エンドサイトーシスに由来する。[[細菌]]等巨大な異物を取り込んだファゴソームや、ピノソームと呼ばれる[[細胞膜]]近辺のより微視的な分子を含んだ一重の生体膜からなる構造と、一次リソソームとが融合し'''ファゴリソソーム'''(phagolysosome、食込融解小体)となり、取り込んだ物を分解する。もう一つはオートファゴソームに由来する。オートファゴソームは、[[ミトコンドリア]]等の細胞小器官が古くなった場合、あるいは細胞が飢餓状態に置かれたときに、[[小胞体]]に由来するとされる二重の生体膜がこれを包むことで形成される。オートファゴソームに一次リソソームが融合し、一重膜の構造体である'''オートリソソーム'''(autolysosome、自家食融解小体)となったあと同様に分解が行われる。二次リソソームは一次リソソームと同様にエンドソーム等に融合し分解酵素の供給源となると考えられている。このように細胞内には様々なリソソームがあり、その大きさ・形状は様々に異なっている。