「戦場にかける橋」の版間の差分

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===ニコルスンの勝利~視察===
小さな集落に辿り着いたシアーズはさらに安全な場所を求めて楽園のようであったその集落を去ることにした。木造の船に乗り意気揚々と漕ぎ出したシアーズであったが、瓶に入った水が底を尽いたため仕方なく川の水を飲んで腹痛を引き起こすなど脱出は難航した。一方、捕虜収容所では、ニコルスンが斉藤に呼び出された。3月10日の陸軍記念日([[日露戦争]][[奉天会戦]]戦勝記念日)を迎えるにあたって、その日を英軍の祝日とし、ニコルスンを含めた将校全員を宿舎に帰すという恩赦まで与えるというのだ。さらに、将校は労役に就かなくてもよいとのこと。どうしても工事期限までに橋を完成させたい斉藤は、ニコルスンに恩赦を伝える手段をとったのだ。宿舎から出てきたニコルスンの表情から彼の「勝利」を悟った捕虜たちは一斉に彼の元に群がり狂喜した。その陰に隠れ、下の立場の者にひれ伏さざるを得ないという屈辱を味わった斎藤は咽び泣くしかなかった。
 
かくしてニコルスンによる建設現場の視察が始まった。しかし、伍長が部下の人数すら把握できていないなど、長期間に亘って染み付いていた気の緩みは捕虜たちから軍人としての誇りを奪い、建設工事のサボタージュを大きく助長していた。ニコルスンの思惑通り、英軍の将校は揃って橋の建設に関する知識を豊富に持っており活発な意見交換がなされた。その中でニコルスンは橋の建設の目的を、日本軍に英軍の知識と能率を見せつけるのと共に捕虜たちに兵士としての誇りを取り戻させることに定めた。