「エジプトのジュリアス・シーザー」の版間の差分

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'''エジプトのジュリアス・シーザー'''』(Giulio》(《エジプトのジューリオ・チェーザレ》Giulio Cesare in Egitto)は、[[ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル|ヘンデル]]の[[オペラ]]。単に'''ジュリアス・シーザー'''』とも》(あるう。現在でも欧米の上演の頻度ヘンデルの作品では最《ジューリオ・チェーザレ》)と
 
==概説==
[[共和政ローマ|ローマ]]の将軍[[ガイウス・ユリウス・カエサル|シーザー]](チェーザレ)が[[紀元前47年]]に[[エジプト]]遠征を行った際の、エジプト女王[[クレオパトラ7世|クレオパトラ]]や国王[[プトレマイオス13世|プトレマイオス]](トロメーオ)とのかかわりをめぐる物語で、華やかで勇壮音楽が描かれて多く、現在でも欧米の上演の頻度はヘンデルの作品では最も高
 
==作曲年==
17221723年から24年
 
==台本==
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==配役==
*ジュアスチェーザ([[アルト]]または[[バリカストラー]])- ローマの将軍、ジュリアス・シーザー。
*クリオ([[バス]])‐ シーザーの副官。
*クレオパトラ([[ソプラノ]])- エジプト女王。
*コルネリア([[コントラルト]])- シーザーの政敵、[[グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]](ポンペーオ)の妻。
*コルネリア(アルト)
*セスト([[メゾソプラノ]]または)- ポンペイウスの息子、[[テノールセクストゥス・ポンペイウス]]
*トロメーオ(アルトカトラート- エジプト王。クレオパトラの弟。
*アキッ(バリトン)- エジプトの将軍。トロメーオ王に仕える。
*ニレーノ(アルトカストラート)- クレオパトラの従者。
 
==楽器編成==
[[リコーダー]]、[[オーボエ]]2、[[ホルン]]4、弦5部、[[ヴィオラ・ダ・ガンバ]]、[[テオルボ]]、[[ハープ]]、[[通奏低音]]([[チェンバロ]]、[[ファゴット]])
 
==粗筋あらすじ==
===第1幕===
;第1場 アレクサンドリア近郊ナイル川に架かる橋
===第二幕===
:ローマの将軍シーザーは、政敵のポンペイウスとの戦闘に勝利すると、逃走したポンペイウス追ってエジプトにやって来た。エジプト人たちが合唱でそれを迎える。ポンペイウスの妻コルネリアとその息子セストがシーザーのもとに現れ和平を申し出たので、シーザーはそれを承諾する。そこにエジプトの将軍アキッラがエジプト国王トロメーオからの貢物としてポンペイウスの首を差し出した。シーザーは嫌悪を覚えてアキッラを追い返す。コルネリアはセストの剣を奪い夫の後を追おうとするが、シーザーの副官クーリオに止められ深く嘆く。悲嘆する母の姿を見てセストは父への復讐を誓う。
===第三幕===
;第2場 エジプト王宮内のクレオパトラの私室
:トロメーオの姉でエジプトの共同統治者であるクレオパトラは真の女王になることを夢見ている。そこに従者のニレーノが現れ、シーザーとアキッラのやりとりを報告する。クレオパトラは自らの魅力でシーザーを籠絡し、その助けでエジプトの女王になろうと画策する。トロメーオが現れクレオパトラを牽制するが、反対に彼女から痛烈にあざけられる。残されたトロメーオのもとにアキッラが現れ、シーザーがトロメーオを非難していたと告げ、シーザー暗殺を提案する。
;第3場 ローマ軍の陣地
:シーザーはポンペイウスの死を悼み、人生の無常に思いを馳せる。そこにクレオパトラが侍女リディアと偽って現れ、トロメーオへの不満を訴える。彼女の美貌に魅了されたシーザーは助力を約束する。コルネリアが剣で自害しようとするが、セストに止められる。その様子を見たクレオパトラは2人の前に出てトロメーオを倒す協力を求め、ニレーノが手引きすると申し出る。
;第4場 トロメーオの宮殿
:トロメーオに招かれたシーザーは、暗にポンペイウス殺害を非難する。トロメーオはシーザー暗殺を心に誓いつつも、表面上は穏やかに接し、シーザーたちを王宮に案内する。アキッラがコルネリアとセストをトロメーオの前に連れて来る。トロメーオはコルネリアの美しさに見惚れるが、母子は彼を痛烈に非難する。アキッラはコルネリアに自分の妻になれば母子とも自由にすると告げるが、コルネリアは頑として受け入れない。衛兵たちが母子2人を引き離し、母子は嘆き合う。
 
===第2幕===
;第1場 パルナッソス山の美しい森
:シーザーがリディアとの逢い引きにやって来ると、美しい調べが響きわたる。徳の女神に扮したクレオパトラが現れ、甘く美しい歌が歌われる。クレオパトラの思惑通り、シーザーはリディアへの愛をいっそう募らせる。
;第2場 後宮の庭
:アキッラが泣いているコルネリアに愛を語るが、コルネリアは再度拒絶する。トロメーオが現れアキッラを下がらせると、彼もコルネリアを口説きにかかる。だがコルネリアは王の求愛を撥ね付け、トロメーオは怒りと欲望を募らせる。コルネリアは自害を試みるが、ニレーノの導きで後宮に入って来たセストに止められる。ニレーノはトロメーオが後宮で無防備の時をねらって殺してしまいなさいと言う。セストは復讐を誓い、後宮のトロメーオの元へと向かう。
;第3場 喜びの庭
:寝室でシーザーはクレオパトラと愛を語らう。そこにクーリオが慌てて駆け込み、エジプト人たちの襲撃を報告する。クレオパトラは自分の正体を明かし、襲撃者たちを鎮めに向かうが暴動を抑えられない。彼女はシーザーたちに逃げ道を教えるが、シーザーは武器を持って戦いに赴く。残されたクレオパトラはシーザーを案じて天に祈る。
;第4場 後宮の一室
:トロメーオが妾に囲まれながら、コルネリアに夜の白衣を与える。セストがトロメーオに襲いかかるが、アキッラが現れ彼の剣を奪い取る。アキッラはシーザーが逃げる途中で海に飛び込み、クレオパトラもローマ軍のもとに逃げていったと報告し、約束の褒美としてコルネリアを望む。しかしトロメーオは約束を拒絶してローマ軍との戦いに向かう。セストは絶望して自殺を試みるが、コルネリアはそれを止め、ローマ軍に加わって戦うようにと諭す。
 
===第3幕===
;第1場 港に近い森
:トロメーオの態度に怒ったアキッラはクレオパトラに寝返る決心をする。クレオパトラの軍勢がトロメーオの軍勢に敗れ、クレオパトラは捕らえられる。クレオパトラが連行された後、海を泳いできたシーザーが現れる。セストとニレーノが通りがかり、瀕死のアキッラを見つける。アキッラは王に裏切られ死ぬ身であるからと言って、将軍の印をセストに渡し、軍を率いて王に復讐して欲しいと言い残して死ぬ。シーザーは2人の前に現れ、セストの手から印象を取ると再度戦いに赴く。セストも希望を取り戻し奮い立つ。
;第2場 クレオパトラの部屋
:兵士に取り囲まれたクレオパトラは死を覚悟している。そこへシーザーが兵を率いて彼女を救いに現れ、クレオパトラは喜ぶ。
;第3場 王宮
:トロメーオがコルネリアに言い寄っていると、セストが現れてトロメーオを殺し復讐を成し遂げる。コルネリアは息子の勇敢さを称える。
;第4場 アレクサンドリアの港
:勝利を収めたシーザーはクレオパトラとともに人々の前に姿を現す。セストがトロメーオの死を報告し、シーザーへの忠誠を誓う。クレオパトラはトロメーオの王冠をシーザーに渡す。しかしシーザーはクレオパトラこそエジプトの女王であると言って王冠をクレオパトラに返す。一同の歓喜の声で幕となる。
 
==代表的録音==