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'''世襲君主制'''(せしゅうくんしゅせい)は、世界各地に現存するほぼすべての[[君主制]]において採用されている君主制の最も一般的な形式。
 
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世襲君主制の下では、全ての君主が同じ家系に属し、王位が家族の一員から他の家族へと受け継がれていく。世襲制は家族間の愛情や忠誠による安定性を内包しているだけでなく、継続性や予測可能という点でも安定性が高い。
 
例えば世襲君主制の君主が死ぬか退位した時、王位は通例王の子供、大体は長子が引き継ぐ。その子供が死んだ時は王冠は同じようにその子供へ、もし子供が居なければ姉妹、兄弟、姪、甥、従兄弟、その他の親族へ引き継がれる。ほとんどの世襲君主制下では、誰が次の君主となるのかをあらかじめ知らしめるため、継承順序を決定する法律によって王位継承を定める。今日では、世襲君主制におけるもっとも典型的な継承順序は長子相続権に基づいている、しかしシニオリティーや[[タニストリー]]、持ち回りなどの方式もあり、これらは過去においては一般的な方式だった。
 
== 歴史 ==
=== 選挙君主制 ===
[[選挙君主制]]は、例えば[[被選挙権]]がある1家族の成員のみに限られている場合、もしくは優先権が認められている場合、事実上世襲君主制として機能しえた。これは歴史上、多くの選挙君主制国家において起こった。在位中の君主にとっての一つの方法は、自らが望む後継者(息子や娘、兄弟姉妹や他の親族)を存命中、つまり自らが選挙を望んだ結果に導く影響力を行使し続けられる間に選ぶことであった。
 
=== ヨーロッパ中世後期 ===
[[ヨーロッパ]][[中世]]後期の多くの国家は、公式には選挙君主制を採用していたが、一つの家系が君主位を数世紀の間も保ち続けることが多く、偽りの選挙と評すべき事実上の世襲君主制で、相続制度はゆっくりと変化していった。混合君主制ともいえるこうした国家の大部分は、[[近代]]の早い時期に公式にも世襲君主制へと変化していった。