「ガルガンチュワとパンタグリュエル」の版間の差分

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'''ガルガンチュワとパンタグリュエル'''(ガルガンテュアとパンタグリュエル、Gargantua, Pantagruel)とは、フランス・[[ルネサンス]]期の[[人文主義者]][[フランソワ・ラブレー]](François Rabelais)が描い著した物語『'''ガルガンチュワ物語'''』『'''パンタグリュエル物語'''』のこと。<!--渡辺一夫訳、白水社版のタイトルを採用---->
 
ガルガンチュワ(ガルガンチュア、ガルガンテュアとも)、パンタグリュエルという[[巨人 (伝説の生物)|巨人]]の一族を巡る荒唐無稽な物語である。第二之書・第一之書はアルコフリバス・ナジエ(Alcofribas Nasier)という筆名(ラブレーの[[アナグラム]])で、第三之書以降は本名で刊行した。1532-1552年に4巻までが出版された。ラブレーの死後第5巻が刊行されが、偽書説もある。
 
既存の権威を風刺する内容であったため、1543年、[[パリ大学]]により[[禁書]]目録に掲載された。
 
『ガルガンチュワ物語』の方が執筆・出版とも後だが、内容的にみて「第一之書」と呼び、『パンタグリュエル物語』を「第二之書」と呼ぶ。
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:内容は航海記の続き。
 
== 邦訳評価・影響 ==
既存の権威を風刺する内容であったため、1543年、[[パリ大学]]により[[禁書]]目録に掲載された。
 
[[エーリヒ・アウエルバッハ]]は、『ガルガンチュワとパンタグリュエル』で描かれているのは中世的世界の素材の再解釈だとする。ラブレーの文章は本来の意図と機能を変更しているので[[反キリスト教]]的に見えるが、そうではなく、要諦は見方、感じ方、考え方が自由になった部分にあるとする。また、ラブレーは中世の規範ではなくソクラテスを規範としていると論じた<ref>エーリヒ・アウエルバッハ 『[[ミメーシス (アウエルバッハ)|ミメーシス]]』(下) 篠田一士・川村二郎訳、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、1994年。第11章</ref>。
 
== 書誌情報 ==
;日本語訳
*フランス文学者、[[渡辺一夫]]による日本語訳が出ている。言葉の洪水(卑猥な俗語の羅列等)や難解な古代ローマ法の議論などに悩みつつも、第二次世界大戦中から戦後にかけて、かつて翻訳不可能といわれた本書の完訳を遂げた。[[白水社]]全5巻で1943-1965年刊行、1964年に[[読売文学賞]]を受賞。改訳し1974年~75年に[[岩波文庫]]。
*ラブレーといえば渡辺訳であったが、[[宮下志朗]]による新訳が[[ちくま文庫]]から刊行された。<!--第五之書を略した4巻本になる予定--->2005年1月『ガルガンチュア』、2006年2月『パンタグリュエル』、2007年9月『第三之書』と刊行中。
 
==脚注==
<references />
 
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