「対象関係論」の版間の差分

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== 注釈 ==
 
理論的には「対象関係」と呼ばれているが、これは対人関係と同意ではない。対象関係論における対象は生まれたばかりの幼児期における外的対象――主に母親という外的対象との結果作られる心的構造などを研究していく事である。治療においては幼児期に母親との関係で確立してしまった内的対象や心的構造などを分析していく事となる。
 
よって対象関係論では主に幼児期における子供と外的対象としての母親との関係および現在における既に内面化されてしまった内的対象や心的構造を把握する事になる。そのために対象=対人ではないし、対象関係論においては母親との関係の結果内面化されてしまった良い対象・悪い対象という内的対象に特に目を置く事になる。現実生活における精神的異常や行動異常はこれらの内的対象からの影響やそれへの執着の結果として生じるのであって、現実の対人関係が悪いから精神病理が生じるのではないという事には注意する点がある。
 
現実生活における精神的異常や行動異常はこれらの内的対象からの影響やそれへの執着の結果として生じるのであって、今現在の対人関係が悪いから精神病理が生じるのではないという事には注意する点がある。

無意識――特に内的対象に目を向けるという事で、対象関係論はアンナ・フロイトの創設した自我心理学やサリヴァンの創設した対人関係論とは正反対の装いをしている。自我心理学では自我の現実適応などの現実に自我が行っている機能の把握に注視したし、対人関係論では内的対象よりも外的対象との交流をとても重要視している。そのため対象関係論はそれらと比較しても内的対象へのアプローチの傾向が強い学問として知られている
 
ちなみに対象関係論はメラニー・クラインから始まったと言われているが、正確に「対象関係論」という言葉を使い始めたのはロナルド・フェアベーンだと言われている。