「アメリカ合衆国上院仮議長」の版間の差分

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== 権限と義務 ==
仮議長は、[[アメリカ合衆国憲法|憲法]]第1条第3節によって権限を付与された、上院の職員である。その地位はいくつかの点において[[アメリカ合衆国下院議長|下院議長]]と同等であるが、仮議長の権限は遥かに限られている。上院では、大半の権限は'''[[院内総務 (アメリカ)|院内総務]]'''と各上院議員とにあるが、副大統領が欠けている間に議会を主宰する職員として、仮議長は特定の任務(議事進行上の問題の裁定など)を果たす権限を付与される。さらに仮議長は、[[アメリカ合衆国憲法修正第25条|憲法修正第25条]]に基づき大統領の職務を執行できないとの布告、または大統領の職務を再開できるとの布告が送付されねばならない2人の権威者のうちの1人である(もう1人は下院議長)。仮議長は副大統領と下院議長に続く、[[アメリカ合衆国大統領の継承順位|大統領継承順位]]の第3位に位置する<ref>{{USStat|61|380}}</ref>。また、いくつかの会合、諮問会議、委員会など種々の会議における役員の指名、議員奉仕係養成所の共同管理などの任務を帯びている。仮議長は、上院へ上げられる種々の報告([[戦争権限法]]に関する報告など)の受取人であることが、法で定められている。これらの報告の下で、上院仮議長は下院議長と共同で、大統領に議会を招集させることがある。仮議長は、種々の会議と委員会を兼務する。また、上院の事務長及び守衛官と共に、上院の規則に沿った上院の建物の利用体制を維持する<ref name="HAO">{{cite paper | last = Sachs| first = Richard C. |title=The President Pro Tempore of the Senate: History and Authority of the Office |publisher=Congressional Research Service - The Library of Congress |date=January 22, 2003 |url=http://www.senate.gov/CRSReports/crs-publish.cfm?pid=%270E%2C*PL%3F%3D%22P%20%20%0A |format=PDF |accessdate=2008-12-09}}</ref>。
 
==歴史==
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=== 仮議長代理 ===
[[Image:H Humphrey.jpg|thumb|left|upright|初代仮議長代理[[ヒューバート・H・ハンフリー]](1977年-1978年)]]
儀礼的な職たる'''仮議長代理''' ('''Deputy President pro tempore''') は、[[アメリカ合衆国上院多数党院内総務|上院多数党院内総務]]になり損ねた元副大統領[[ヒューバート・H・ハンフリー]]のため、1977年に設置された。同職を設置するとの上院の決定は、上院に勤める元大統領及び副大統領は全員同職に就く資格を有するとした。1978年にハンフリーが死去してからは、同職を務める元大統領や元副大統領は現れなかった<ref name="HAO" />。2007年現在、存命中の大統領4名([[ジミー・カーター]]、[[ジョージ・H・W・ブッシュ]]、[[ビル・クリントン]]、[[ジョージ・W・ブッシュ]])及び存命中の副大統領4名([[ウォルター・モンデール]]、[[ダン・クエール]]、[[アル・ゴア]]、[[ディック・チェイニー]])が仮議長代理となる資格を有する。元副大統領[[ウォルター・モンデール]]が出馬して落選した2002年の上院選は、これが実現する可能性が高まったかに見えた唯一の時である。
 
仮議長が長期にわたって執務不能になった場合、現在の慣例は、仮議長が復職できるようになるまで職務を遂行するため、上院議員の中から終身仮議長代行ではなく仮議長代理を選出することになっている。仮議長[[ジョン・C・ステニス]]が病に罹ったため、[[ジョージ・J・ミッチェル]]が1987年から1988年まで仮議長代理となった。以来同職は空いたままである。現在までに同職に就いた上院議員は、[[ヒューバート・H・ハンフリー]]とジョージ・J・ミッチェルのみである<ref name="HAO" />。